随時更新。
X-T1/X-T2用に購入した特殊効果(特殊ボケ・解像しない・マウントフィルターレンズ・フィッシュアイ)レンズや、そのほかエクステンションチューブなどのメモ。
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とりあえず使えそうなレンズ一覧は調査中。
Pixco CCTV 25mm f/1.4
2017年9月購入。
Cマウント のレンズ。Cマウント のレンズは高確率でFUJIFILM-Xマウント 、SONY-Eマウント には実用にならない と思っていて支障はない。基本はPENTAX-Qマウント やNIKON-1マウント 、せいぜいmicro4/3マウント で使う程度しか写野がないからだ。Xマウント には変換アダプタが存在しているので一応装着は出来るものの、盛大に周辺がケラれる。まあそのケラレを前提で遊ぶためのレンズだ。高価なレンズで遊ぶのは勇気がいるけど、このレンズならマウントアダプタが付属して3000円程度なのでそんなに悩まずとも済むし。
で、使ってみた感想は
・見た目も操作感も超安っぽい。基本は産業用とかに使うレンズだと思うので、まあそこそこがっちりと強度はある かと思うが、安っぽいのは事実。
・ピントリング・絞りリングは固め 。基本は固定焦点っぽく、あまり頻繁に変更することを想定していないのだろうなあと言う感じの硬さ。絞りリングが前側で妙に太く、ピントリングが根元側で妙に手前側過ぎるので、ピント合わせをしているつもりが絞りリングをグルグルしているだけだった 、と言うことがしばしば。
・盛大にケラれる 。開放側はケラレの境界線が若干あいまいで、その分撮像範囲が広いように感じられなくもない。絞り込むとケラレの境界がしっかりと見えてしまうので、ただのケラれた状態の写真になり、使い道がほとんどない。開放側で、トンネル効果だと言い張る方が無難 。
・解像はこんなしょぼしょぼレンズのわりに中心はそれなりに解像していると思う。いや、何が写っているか分かるよ、程度のものでカリカリの解像とかはしないのだが、そもそもそんなに解像しても仕方ないレンズなので気にする必要はない。周辺は見事にグルグルボケ になる。
・逆光性能はしょぼい、と言うか逆光ですらない、順光状態でもなんか画面全体モヤモヤしているような感じもうけるので、逆光性能とか気にする必要なし。
と言った感じ。
もともと、Helios 44-2にグルグルボケを期待して買ってみたところ、思ったより優等生な写りでした、もっとグルグルな奴が欲しいなと思って買ったところが無きにしもあらずなので、このぐらいの性能で僕は充分。このレンズをクソ玉と思うか癖玉と思うかは個人の感想の意見の相違の範疇だろう。
以下作例。
グルグルボケのコスモス。絞り開放、最近接はもう少し寄ることができる。周辺は全く写っていないのだけど、トンネル効果と言い張る。ボケはグルグルはしているものの、輪郭強調とかはなく存外に素直 なので頭の中で思い描くイメージを外すことがなく、扱いやすい方だと思う。
周辺が真っ暗な分、評価測光でも中央は露出オーバー気味になるので、あらかじめ露出は若干マイナスに振っておく 方がいい。
僕の撮影スポットの近隣では彼岸花が咲いている場所がどうにも見つからず、半ば諦めかけていたら偶然見つけたので撮影できた。絞り開放、最近接はさらにもうちょっとだけ寄れると思う。ボケがいうほどざわついていないのが分かる。密集して咲いていたので後ろの彼岸花もすぐ近くなわけだけど、意外によくボケている。
周辺まで明るい環境だと、こんな風にトンネル効果ではなく周辺減光&ケラレなんだなあとはっきりばれてしまうので、その辺は構図に工夫が必要。
だいたい遠景 開放F1.4
同じく、F2.8ぐらい
同じく、一番絞ってF8ぐらい? もう少し絞れてそう
絞り別の解像と周辺の写り方の作例。画面中央のビニールハウス辺りでピントの山を取ればよかったが、確か記憶ではその後ろの山(浅間山)でピントを出したような気がするのでF1.4では画面中央でもボケボケになってしまっている。
遠景ではケラレの効果が大きすぎて、絞り開放でもとてもトンネル効果と言い張れない惨状だが、それでも開放付近ではケラレの境界付近の落ち込み方が多少緩やかで、絞り込むとケラレがはっきりと目立つと言うのはわかるかと思う。
このぐらい解像してくれるのなら、ケラレが目立たないだろうmicro4/3辺りならもう少し実用になるかもしれないが、まあそんな中途半端な描写を求めても仕方ないので潔く近接開放写真専用のレンズ と思った方がいいと思う。背景もガンガンボケてくれるので、開放で使って全然問題なし、多少絞り込むとしてもせいぜいF2.8ぐらいまでの範囲で使うのが良いかと思う。
PENTACON AV 2.8/80 MADE IN G.D.R.
2017年11月購入。
このレンズは、ヤフオクで購入した。バブルボケ で有名な、Meyer Trioplan の派生レンズ。確か、メイヤー社 が後にオプティコン社 に吸収されて、オプティコン社 名義でトリプレットレンズ をいくつか発売している。これもそんなレンズで、さらに言えばカメラ用のレンズではなく、プロジェクター用のレンズをM42マウントに移植したものなんだそうだ。
トリオプラン はバブルボケ が見直されて数年前から人気が出ているレンズで、復刻レンズまで登場したのだが、如何せん高い。50mmのトリオプラン なら5万円前後で入手できるようだが、100mmのトリオプラン だと旧製品で10万弱、復刻品だと10万を軽く超える値付けがされていて、ちょっと手を出しにくい。が僕が入手したこのレンズは1万ちょいの値段なのでかなりリーズナブルな購入だった。さっきも書いたように元プロジェクター用のレンズなので絞りリングは省略されており、F2.8専用のレンズになっているのだがバブルボケ を楽しもうと思ったら絞る必要性なんかないわけで、これで充分である。また、焦点距離80mmと言うのも使いやすい。おそらく、焦点距離50mmはm4/3でないと狙いの大きなバブルボケ は出ないだろう。100mmならフルサイズでも充分行けると思う。僕の入手したレンズもフルサイズでも余裕のイメージサークルがあるようだがAPS-Cで使っても悪くない感じだ。
※バブルボケ は、背景にある点光源が写りこんだときに大きく丸く玉ボケ になる際に、輪郭がきれいに縁取られ 、リング状にも近くなるボケ。基本的に球面収差がオーバーインフ に設定されているときに発生し、普通のボケとしては二線ボケの原因にもなるのでどちらかと言うと敬遠される。がトリオプラン などのトリプレットレンズでは顕著すぎてバブルボケ はかえって見事で、作画効果にちょうど良くなる。一部の超望遠で使われるミラーレンズ(カタジオプトリック光学系)はレンズ(ミラー)中心を使わないので完全にリング状のボケになるが、それとは若干作画効果が異なる。
以下作例。さっきも書いたようにこのレンズは絞れないので開放作例のみ。
紅葉の風景でバブルボケ を出せないか軽くテスト。基本的には、逆光気味の背景で木漏れ日をいれる とバブルボケ になるのだが、意外と取り込むのは難しかった。
この作例のように前景も背景も赤、ではなく例えば前景は紅葉だけど背景はまだ緑、とかにした方がボケが目立っていい結果になりそうだ(この撮影の時もそう言うポジションを探したがあまり良い場所がなかった)。
また、このレンズの場合、最初にバブルボケ ありきなので、まず背景のバブルボケ の大きさがちょうど狙い通りになるようにピント位置を定め、そのピント位置に前景が来るように調整するような、構図を考える時に逆転の発想をする方がうまくいくような印象だった。
なお、前景のピントはどこにあっているのだかいまいちよく分からないが、そもそもこのレンズ、ソフトフォーカスレンズと言っても差し支えなさそうな解像の甘さなので、その辺は妥協が必要。
銅像でポートレートっぽいものの作例の代用。この銅像は大人の女性よりは若干小さく、小学校高学年の子供ぐらいのサイズか。
見ての通り、ポヤポヤの解像である。ソフトフォーカスレンズと言うにはもう少しフレアがのらないと物足りない中途半端さ。また、背景のボケは当然のことながら二線ボケの影響を受けてガサガサした印象になるので、こういうシチュエーションではあまり使えるレンズではない。
同じく、銅像でバブルボケ と両立できないか試してみた作例。実際の人間の顔より小さいであろう銅像でも構図に入りきらない感じなので、ちょっと厳しい感じ(顔が入りきったり、上半身だったりの構図だとバブルボケ が小さすぎてインパクトがイマイチになる)。
逆光で一番厳しそうなシチュエーションの作例。画面ギリギリ外に太陽があるシチュエーションが一番フレアがのるが、それでもこの程度なのでマシな方かと思う。そもそも解像がポヤポヤなのでフレアがのって解像がさらに甘くなっても大差がない。
ここからは、このレンズが真価を発揮するイルミネーションの写真。バブルボケ はいくらでも出るし、もうイルミネーション撮影で夢中になれること請け合い。やはり、前景に何かオマケを置くのが肝要かと思われるので、撮影スポットによっては前景用になにか小物の被写体を持っていくといいかもしれない。
こうしてみると造花の生地の感じなども一応写っているので、近景なら多少は解像しているのかも。
これは作例と言うか、前ボケの出方のサンプル。球面収差がオーバーインフなので、前ボケは芯のある結構きれいなボケになってるのかと思ったら、なんとも微妙な感じだった。まあイルミネーションじゃなく日中の撮影でなら前ボケを活かすシチュエーションはある…のかもしれない。
これは後ろボケ、バブルボケ のサンプル。ボケのサイズが小さめだと、若干の口径食の影響 が出るらしく、周辺部のは円形が崩れている。とは言えそれほど目立つレモンボケでもないので、このぐらいのボケサイズでも十分使えると思う。
バブルボケ のサンプル、さらに。ボケのサイズが少し大きくなると、口径食の影響が目立たなくなるのが分かる。さらにボケが大きくなるともっと目立たなくなるけど、それは省略。
FUJINON XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro
2017年12月購入。
マクロレンズ はレビューの中でどこに書けばいいんだかとも思ったけど(中望遠 のジャンルでも良かったか?)、まあ特殊効果レンズ のレビューで紹介。発売されたばかりなうえ、発売時期が11月だったか、紅葉ですら終盤じゃないのか状態の中での発売なので初動は存外低調だったんじゃないかと思う、このレンズ。花咲く季節に出してればもっと初動大きかったんじゃないかなあ。現時点では国内レビューあんまり多くないようだ。
フジの純正マクロレンズとしてはこのレンズの他にFUJINON XF60mm F2.4 R Macro があるのだが、初期の発売でハーフマクロ までしか対応していない・手振れ補正に対応していない ・代わりに結構小型軽量 なXF60mm 、満を持しての発売で当然等倍撮影 まで対応している・手振れ補正にも対応している (しかも5段分!)・けどめっちゃでかい重い レンズであるところのXF80 、と二つのレンズのキャラクターは結構違う ので冷静になって考えればどっちのレンズを買うべきかはそれほど悩まずに済むと思う。個人的には、とりあえず撮影の幅を広げるためにバッグの片隅にマクロレンズを置きたい人はXF60を使えばいい し、日常の撮影がマクロ撮影が主体で多少のデカ重に耐えられる人はXF80を買えばいい と思う。最初このXF80 を買う前は「XF60 はいくらなんでも初期発売だし手振れ補正もないしなーないよなー」とか思っていたが、XF80 を買って思ったのはこっちはデカ重で持ち歩くのが明らかに苦行なので、確かに撮影は楽になるかもしれないが、そうそういいレンズってわけでもないぞ、って事だった。
とまあざっくり書きつつ簡単な印象を列記すると
・でかい。重い 。手持ちのXC50-230 より若干長く、だいぶ太いのはびっくりした。重量も言うまでも無し。このレンズ、レッドバッジシリーズに入れるべきだったんじゃなかろうか(レッドバッジはズームだけなのか?)
・通電をしないで持ち歩いていると、O.I.S.ユニットが中で動いている んだろうが若干ゴロゴロ感あり。XF18-55 やXC50-230 ではこんなにゴロゴロしない。O.I.S.ユニット自体が結構重そう だぞ、と言う印象をうける。
・通電中も 微妙にゴロゴロと言うかモーター音だと思うがうるさい 。野外で使ってる時は気にならないが静かな室外で使っていると、「お、意外に音が出てるな」と言う印象を持つ。
・AF速度はそこそこ 。通常域はXF35mmF1.4 ぐらいのイメージで、爆速ではないがまあシュッとあってくれる。マクロ域はピント合わせをしている間にファインダの中でピント合わせに伴ってボケの大きさが変わっていくなあ、と分かる程度の遅さ。これはまあ仕方ないところか。なお、明るい野外で使うほうがピント合わせは速く、やや暗めの室内だとX-T2の位相差素子が効いていないのかノロノロ である。
・ピントリングが全体の半分ぐらいの幅を占めていて、レンズ前部分はただ掴むだけの稼働無しの部分なんだけど、ここもピントリングが占拠していた方がかっこよかったんじゃなかろうか 。さらにレンズキャップを装着する先端はもう一段細くなっており、なんかデザインはちょっとかっこ悪い気がする。
・ピントリングのトルクはやや重め 。まあレンズの大きさからすればこのぐらいの感触が妥当なのかな。がピントリングの回転角 はどうかと思う。最近接から無限遠までピントリングを三周ぐらいする。微調整がしやすいかもしれないが、ピントリング回すのめんどくさすぎ。せいぜい二周でいいと思う。このレンズに限らず、フジのレンズはピントリングの回転角を大きく取りすぎだと思う。所詮電動エンコーダなので、回転角の感度を調整できる項目がボディ内にあればいいんじゃないか と思う。
・絞りリング、トルク重すぎ 。よっこいしょと回転しないといけない。こっちもただの電動エンコーダなのだし、なぜフジノンブランドのレンズ全体でトルク統一できないのだろうか。
・OISのON/OFFスイッチ、焦点レンジ変更スイッチは結構硬め で、これは良い。手持ちのXF18-55 は軽めでバッグの中に入れたり出したりで誤作動してる時があるっぽいので、このぐらい重い方がいい 。
・レンズキャップが62φのもので新型仕様? 今まで使ってたフジノンのキャップはグラグラでまともに使う気が起きない感じだったが若干マシ になってる。旧仕様のレンズキャップは前面が軽いドーム状の傾斜だったが、このレンズについてる新仕様のキャップは他社の物と同じく平面になってる。まあどっちみち僕はタムロン旧仕様キャップに交換してしまうのだけど。
・ここからは描写の話だけど、まあ単純に素晴らしい の一言。XF16mmF1.4 の時にも感じたことだが、フジの素晴らしいは解像するところは素直にかっちり解像し、アウトフォーカスは前ボケも後ろボケも癖もなく自然に消える、ホントに素直な描写 。欠点がどこにもなく、良いところは高いレベルで到達している。癖がないので扱いやすい半面、何も癖がないのでサラリとしすぎていて僕には戸惑いを感じてしまう 感じ。
・たった一つだけ弱点 を見つけたけど、口径食が大きくレモンボケが目立つ 。特にこの焦点レンジでマクロまでまかなうとなると、イルミネーションの時などレモンはかなり気になるだろう。だが不思議なのは口径食が気になるのはあくまで光源ボケを入れた時の話で、普通の描写の時にグルグルボケっぽいものが発生するだとか、ボケ描写にザラツキがあるだとか、そう言う欠点はないようだ。なので、扱いやすさをスポイルすることは無い だろう。
と言った感じだ。まあ、とにかくデカくて重い、ちょっとレモンボケが出る、あたりが欠点だけど完成度は滅茶苦茶高いレンズである。
以下、しょうもない作例。
某5ちゃんねるにも投稿したとりあえずのサンプル写真。いつもならとりあえずモミジの葉っぱを取るところだが、すでに落葉しているので。モールみたいな素材でできているぬいぐるみ?を見る限り、非常に無難に解像していると思う。モールは解像を確認するのにはちょっと模様がおおざっぱなので、もう少し細かな模様を持つ被写体で試したいところ。
けっこうざっくりした構図で前ボケ、後ろボケが入っているけどレンズが優秀なのでどっちもうるさくならず、ナチュラルにボケていっている と思う。
ボケの色付きに関してはこの作例では見られないが、この被写体が日陰だったので明るい場所で撮ると若干評価が変わる可能性はある。
この季節、シクラメンぐらいしか花がない…花屋の店先に並んだ、を軽くスナップしただけでちゃんと構図とかピント合わせ出来ていないので花弁の傷的なものにピントが合ってしまった。シクラメンなら、もう少し見上げる構図で下側にチョロンと出てる棒状のおしべ?めしべ?みたいなものにでもピント合わせればいいのだろうか。ボケはとにかくナチュラルで、構図の時に悩ませる要素が減るのは撮影をはかどらせるのに便利そう。
中景のサンプル…にしようかと思ったら、あまりにも単純な被写体で描写も大してわかんないしょうもないのになってしまったので他の視点で観察するサンプル。
一つはわざと左端ギリギリに柱を一本入れたのだけど、見ての通り歪曲収差は無視できるレベル だと言うこと。まあ、中望遠レンズに顕著な歪曲収差があったら困るけど。
もう一つはこのシャッター速度でもこれだけ止まりますよと言うこと(ss1/13) 。なんとなく描写がツルンとしてるのは微ブレもあるのかもしれないけど、まあ目立った手ブレはないと思う。手持ちでサクッと撮っただけなので、シャッター速度限界は頑張ればもう少し下にあると思う。本来なら焦点距離80mm→換算焦点距離120mmなので一般的なシャッター速度限界が1/120ぐらい、そこから5段補正が効くので(1/128→1/64→1/32→1/16→1/8)大体1/8secぐらいまでは手持ちでいける計算になる頑張ってもう一段で1/4secもいけるのかもしれない。これは便利だ。
これは明らかに失敗してるし被写体としても酷すぎるんだがまた観察用サンプルで。
マクロ域の場合、さっきと同じようなシャッター速度(今回はss1/15)では結構明確に手ブレしてしまう のが分かる。この撮影の時は手前に机があって片肘をついていたので、立って手持ちのさっきの写真の状況より、手振れ耐性は高い状況だったと思うのだが。このレンズはシフトブレ対応しておりマクロ域でも手振れ補正が効くとあるが、5段までは効かない ようだ。実効でどのぐらい効くのか調べてみたいところだが、とりあえずは2段としてss1/32secぐらいまでにはとどめたいところだ。
この三枚は等倍を並べても仕方ないのでリサイズ済み。光源ボケの様子 の確認で、年輪ボケ の様子と口径食 の様子の確認。
一枚目は中央近くに大きめの光源ボケを置いた様子で、このぐらいなら中心からずれていても口径食は目立たない 。
二枚目は大きめな光源ボケだが、画面の隅に配置した場合を確認するためのもので、結構みごとなレモンボケが出る ことが分かる。
なお、二枚から分かる通りごくわずかな年輪ボケも発生している がまあこの程度なら我慢できる程度じゃないかと思う。年輪ボケは光学系に非球面レンズを使っているとその研磨ムラに起因して発生しやすいらしく、このレンズも非球面レンズを使っている(最近は研磨技術が進んで非球面レンズでも年輪が発生するのは減ってきているようだ)。
その他ボケの中に変な模様があったりするが、それはおそらくレンズ最前面の表面にホコリが若干付着していたせい じゃないかと思う。
ボケの輪郭 は完全になだらかではなく若干確認できる が、変な色付きなどはほとんどない ようだし、この程度の輪郭だと通常撮影で二線ボケが出ることもない ようだ。
三枚目は、光源ボケのサイズを若干小さくしたもの。実際のところ、上の二枚ほどの大きなボケはマクロ域にならないと出なくて、この三枚目ぐらいのサイズが通常域撮影の最近接相当(1m弱)ぐらいかと思う。なお、この撮影は駐車場に置いた車の中で駐車場の向こう側に停まっている車に光が反射して光っているのに気が付き、とっさに光源ボケの確認に使えるなと思って撮影したもので、三枚目の画面の下の方にある傷のようなものは車のフロントガラスの擦れ跡?なんじゃないかと思う(当たり前だが撮影中にエンジン掛けたりはしていない)。
三枚目ぐらいの光源ボケサイズでも口径食はしっかり確認できる 。これはやっぱり気にする人は気にするんじゃないかと思う。
一方で光源ボケ以外の場所は素直で扱いやすそうだと僕は感じた。黒い車が後ろ向きに停めてあって、その手前に逆Uの字型の白い柵が左右にあるのがなんとなくぼや~んと分かる。何があるのかは分かるけど、うるさいわけじゃないボケ、このぐらいが一番扱いやすい のじゃないだろうか。
逆光の作例。若干のゴースト、フレアが確認できる(晩秋で落ち穂を燃やしており、その煙が入ったせいでフレアが確認しにくくなってしまったのは失敗)。この写真の際に太陽を画面内に入れた構図(この写真)や太陽をわずかに画面外とした構図など撮影してみたが、ゴーストは若干発生する ようである。
写りこんだ太陽の下側にスミアと言うかブルーミングと言うかが紫色がかって若干発生している。また手前の木が太陽近くにかかっているところで若干輪郭にパープルフリンジもしている。この辺は太陽を画面内に入れる無茶な構図のせいか。
とは言え、それ以外は画面の端の方まできれいに解像している (開放絞り)。これは素晴らしいと思う。
遠景作例、絞り別 開放F2.8
遠景作例、絞り別 開放F5.6
遠景作例、絞り別 開放F8
遠景の写り具合を絞り別 に三例。まあ普通に開放からバリバリに写ってますね。マクロレンズだけど遠景でも全く問題ない 感じ。浅間山のてっぺん近くの稜線に石ころがある様子とか開放からバッチリ写ってます。開放の周辺部(右下、左下)は若干解像が甘いけど、これは単に構図がちょっと下になっちゃって前景がピント外になっちゃっただけではないかと推察される。
ポップコーンノイズの発生も特にない模様。
周辺減光は、開放でほんの少し 確認されるけど、こうやって比較されない限り気になることは無い と思う。
ボケによる描写の変化がなく使いやすいと言う事か。
FUJIFILM X-T2 の銘板のところに貼り革で化粧板を作って貼り付けて、FUJIFILM のロゴを隠してみた。
まあ、隠した理由はただのミーハーと言うか、FUJIFILM ロゴがない方がレトロに見えるかなあと思ったから。FUJICA ロゴだったらかっこよかっただろうになあ…とか思ってしまう。
世の中にはミーハーではなく理由があって隠しているお仕事の写真家の人もいる。戦場カメラマンはロゴがあると目立つので狙撃のターゲットになりやすいらしく、黒いカメラにロゴを隠して使う。ポートレートやヌードを撮るカメラマンの中にも、瞳の中のハイライトにロゴが写りこんでしまうことがある、と言う理由で隠している人がいる。そういう人は大概武骨に、ペンタ部にべたべたとパーマセルテープ なんかを貼って使っているのを時々カメラ雑誌やテレビなんかで見かける。
と言うことで、まあお遊びでロゴを隠してみた。昔からカメラに貼り革を貼って遊ぶのをやっているので、まあ貼り革も余ってるしやってみようかなと。
使う貼り革はビニックスレザー 。主にライカ用の交換貼り革や、その他カメラをドレスするために使われている。1セット買うと貼り革と貼り付けるための両面テープが入っている。A4サイズで、一度買うと素人の遊び程度では使う量がたかが知れているので使い切るまで結構長いこと遊べる。また、耐久性は十分にあり、手元にあるDMC-LX3に貼った貼り革はもう10年近く経つはずだが相変わらず問題なく使えているので、あまり劣化の事とかは気にしなくていい。
ロゴをきれいに隠す大きさにカットすればいいのだが、いつものごとくノギスとかでテキトーに測ってイラレ上で見本紙を作成する。
今回作成した下紙はこんな感じ。サムネイルをクリックして、でかいjpgをダウンロードして300dpiで印刷すれば一応サイズは大体合うはず。せっかくなので、銘板だけじゃなくてその上の面まで覆うようなデザインの物を製作してみた(が結局コンパクトに銘板を覆うところだけしか使わなかった)。もう少し遊ぶなら、脇の部分にも革を当てて、ニコンのFM系列やDfみたいなのもいいかなあと思ったが、SSやISOの位置を確認する指標をうまく隠さないように作るのはめんどくさかったので諦めた。
型紙を適当に印刷し、大まかに切って、貼り革の上に両面テープで仮止めする。ここで使う両面テープは仮止めなので粘着力は弱くていい(貼り革の貼り付け側には当然付属の強い両面テープを貼る)。今回は以前他で使った貼り革の端切れが残っていたのでそれを使用。
型紙を貼り革の上に貼り付けて、そのまま目安にカットする。器用な人がやった方が出来は絶対いいはず(僕はかなり下手な方だと思う)。
カットした後、コバ(貼り革のサイドの部分)がどうしても汚くなってしまうので、黒マジックで塗りつぶしてしまう。綺麗にカット出来ていてもこの作業はやった方がいい。ビニックスレザーは本来、貼り革スペースが確保されている場所に貼るもので、コバの部分は本体に段差があるので隠れて見えなくなるが、今回のように無理やり貼り付ける場合は、コバの部分が見えてしまい、特に両面テープがうっすらと白く見えてしまうからだ。
コバ塗りをしたら型紙をはがして両面テープの裏もはがしカメラに貼り付ける。これは銘板と前面を覆うように試作したのだけど、ちょっとうるさすぎるかなあと感じた。
ので、改めて銘板部分だけカットして貼り付けてみた。こっちのが無難かなあと思う。
なお、ペンタ部のデザインはX-T1、X-T2で基本的に共通らしいので、上記の型紙でX-T1でも同じように覆えるはず。
先日、内山牧場の大コスモス園に行ってみた。が、大コスモス園自体は今年は外れだったみたいで、数年前に行った時に感動したような前面を埋め尽くすようなコスモスがなくて、ほとんどの範囲は雑草が目立ってイマイチだった。
のだが、天気が良かったので、南隣にある荒船山がビビるぐらい絶景で広がっていたので、そちらを写真に撮ることにした。で、せっかくなのでX-T2にあるパノラマ撮影機能を使ってみた 。のでその感想の備忘。
パノラマ撮影機能と言えばフィルム時代はフィルムの上下をマスクするだけのなんちゃってパノラマ機能が一時期流行し、カメラに無駄にP機能として搭載された結果、多くの人がボタン操作を間違えてパノラマ設定にしたまま撮影をし、事後のDPEで画質の悪い上に無駄に値段高いパノラマ写真をプリントされて困っていたのを思い出す。当時DPEショップでバイトしていた時、数十本に1本ぐらい、『あーこれ設定間違えて撮ってるわ』と思しきパノラマ写真があって、とはいえそもそもフィルムがマスクされているので上下は何も写っておらず、パノラマプリントせざるをえないフィルムを虚しく印刷していた。一応、ガチのパノラマ写真と言えば富士フイルムのTXシリーズと言うのもあったけど、まあ一般には全然知られてないだろう。
デジタルに入ってからは連射した写真をカメラ内で自動合成して一枚の大きいパノラマを作ると言う機能が搭載され、多しか最初はSONYのEマウントのどれかあたりだったと思うが、今ではスマホでも搭載されてるメジャーな機能となった(メジャーになっただけで使われているかは謎だが)。本来はこういうパノラマ合成は歪曲の少ないレンズを使って、三脚に据えて、ノーダルポイントを検出して回転させながら撮影して、あとで合成するみたいな果てしなくめんどくさい作業が必要なのだが、カメラ内で簡易的(とはバカにできない高クオリティで)作成できるようになったのは凄いと思う。
閑話休題。X-T2でそんなパノラマ機能を使って撮影してみた。撮影方法としては、ドライブダイヤルをパノラマ撮影モードに変更して、カメラのガイドに従ってシャッターボタンを押し続けながら体を回転させるだけ。
背面液晶に水平線と移動方向の矢印が出るので、水平はなるべく維持するように撮影する。またカメラを横に動かすのではなく、体の中心を縦に軸のようにしているのを想像して、体をぐるりと回す 方がいいと思う。また、その回転はあまり速く動かすとエラーメッセージが出てうまくいかない。思ったよりゆっくりと体をねじる ような感覚で回す。
と言うことで、撮影結果は以下の通り。
思ったより解像度は圧縮されたものが出てきた。
使用レンズは、IBERIT 75mm F2.4。
同じ場所で同じレンズで単射した作例は以下の通り。
さらに、同じ場所でXF35mmF1.4で撮影した作例は以下の通りで、75mmレンズでパノラマ撮影した写真は概ねこのレンズで撮影した写真と横の画角が一致しているようだ。
おまけで、同じ場所でXF14mmF2.8で撮影した作例は以下の通り。これだけC-PLをかましているので発色が若干違う。
この位置から見ると、荒船山の船の後ろの方から舳先を望むような構図になる。こうやって見てもしっかり『荒船』してるのはちょっと感動した。
紅葉の季節に、朝焼けや夕焼けを絡めて撮影したらさぞや傑作が撮れるんだろうなあと思った。
随時更新。
X-T1/X-T2用に購入した中望遠レンズのレビューエントリ。焦点距離的には46mm~100mm(換算69mm~150mm) までのレンズで検討したもの、購入したものをメモ。
超広角・広角域(焦点距離的には~23mm(換算34.5mm) までの)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(3) 超広角・広角レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
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特殊効果レンズのレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(7) 特殊効果レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
以下、とりあえずさっくり調べたレンズ一覧。例のごとく、一眼レフ用レンズは数が多いので除外、L/Mマウントレンズは1990年代以降の新しめのレンズ(ライカ純正を除く)を掲載。
この辺のレンジから純正レンズもサードパーティも少なくなってくるし、Mマウントのレンズも減ってくる。さらに望遠域、例えば200mm単焦点とかは(今度フジ純正で大口径望遠が出るが)まあほぼ絶望的な状況なので、この辺のレンジからまとめて純正望遠ズームを一本買って済ませる方が個人的には無難 なように見える。何より、このレンジでは手振れ補正がないことが結構ダメージとして効いてくるので、純正ズームのレンズ内手振れ補正に頼りたいと考える方がいいからだ。
HELIOS-44-2 F2/58mm
2017年6月購入。
上の一覧にないレンズをのっけから紹介する。まあ、このレンジのレンズとして最初にこれを買ったのだから仕方ない。このレンズは、ロシア製のM42マウントレンズなので、マウントアダプタを介して装着する。僕は最初慣れずにとりあえずXマウント-PK/Rマウントアダプタ とKマウント-M42マウントアダプタ を買った(将来的にKマウントレンズも買おうと考えていたので)のだけど、後から少し慣れて考えてみると、この買い方はそれほど良いわけではなさそうだ。一番正解の買い方は、少々ゴチャゴチャ連結感があるが、FujiFilm製純正Xマウント-Mマウントアダプタ 、Mマウント-Kマウントアダプタ 、Kマウント-M42マウントアダプタ と買う のが良さそうだ。Kマウントなんて使わないよ、と言うのならダイレクトにMマウント-M42マウントアダプタでも構わない。
なんでこんなまどろこっしいガチャガチャを薦めるかと言うと、X-T1/X-T2 にレンズを装着した時に、Exifに焦点距離入力をするのに便利 だからだ。X-T1/X-T2 には電子接点のないレンズに対して焦点距離入力をするメニューがあるが、これが結構深い階層の中に入っていて、レンズ交換の度に呼び出して入力するのが面倒なのだ。一方で、純正FujiFilm Xマウントアダプタを使えば、マウントアダプタ上にボタンがあってそこからダイレクトに焦点距離設定メニューに入れる。これが思ったより便利(このマウントアダプタの組み合わせですらレンズ交換時に焦点距離再入力忘れたりもするのだが)。現時点ではフジのカメラにはボディ内手振れ補正などがあるわけではないので、別にまあ焦点距離入力などしなくてもいいのだが、やっぱり入力した方がいい。
で、なんでこんなレンズをいきなり購入したのかと言うと、個人的に『グルグルレンズ 』を一本買っておきたいなあと思っていたからだ。グルグルレンズ と言うのがどういうのかと言うと、画面中心を基準に被写体の周りをグルグルと回るような感じにサジッタルなコマのボケがよく出ているレンズのこと。伝統的なのだとMeyer PrimoPlan あたりで有名で、最近だとLensBabyのTwist系効果レンズ とか、LomographyのNew Petzval 58 Bokeh Control Art Lens 辺りが有名だと思う。まあサブカル界隈に有名なレンズで、このHELIOS-44-2 もグルグルボケが出ると聞いた(その上格安!)ので買ってみたのだ。
買ってみた感想としては
・今のところ、僕の買った個体ではそれほど目立ったグルグルボケを出せていない。使いこなしが下手なのもあるし、ロシア製のこの辺のレンズは個体差も大きい ので一概に評価できない。
・僕の買ったレンズは何故か絞り目盛が逆 で、F16の側に回すと開放、F2の側に回すとめいっぱい絞りこまれる。途中の絞り数字なんて確認しようもないアバウトさ。
・逆光にはめっちゃ弱い 。レンズの反射具合を見るにつけモノコート っぽいし、この辺はむしろそれを活かした作例を考えるべき仕様かと思う。
・操作性に関しては、へっぽこもいいところ。距離ヘリコイドがかなりユルユルなのはまあ仕方ないとして、絞りリングはさらにスッカスカ である。さっき書いたとおり目盛も逆だし何がしかのニコイチなんかもされてそうだが、軽く触っただけで絞りが動いてしまうのは結構辟易。
・描写は、こんなニコイチくさいレンズでも意外に解像する気がする(気がするだけで解像はしてないのだけど)。カリカリの解像ではなく、しっとりとした湿り気のある描写 なので、あまり解像が気にならないのもあるかもしれない。
と言った感じ。
せっかく買ったのでこれからもう少しいじくり回してはみたいが、このレンズを買ってつくづく思ったのは『SL(一眼レフ用)レンズだとボディのコンパクトさをスポイルするなあ 』であった。アダプタをガチャガチャ取り付けると結構な長さになり、最大径がそれほど大きくはないので取り回しがそれほど悪いわけではないが、まあかっこ悪いのだ。このレンズを買った結果、X-T1/X-T2に装着するレンズはマウントアダプタ遊びをしてもMマウントまでだなあと思った次第である。
以下作例
頑張って多少グルグルさせてこんなもん。今度コスモスでもっとグルグルしないか試してみようと思う。
多分開放、最近接。これだけ寄れればまあまあかなあと思うし、一応花粉が写る程度には解像もしているし、ボケがとてもゆるやかで綺麗。このレンズはこれはこれで使い道があると思う。
多分開放、最近接から数cm離れてると思う。熟し始めた梅の実。逆光気味の条件なのでかなりホワホワになっている。完全逆光になるともっと画面内真っ白になる。
F4ぐらいのつもりで若干絞ってある。コスモスでも試してみたが、やっぱりグルグルはでなかった。点光源ボケを見る限り、若干の輪郭がつく二線ボケがあるようだが、あまり顕著に出ないのでこういうコスモスの葉っぱでもボケがうるさすぎるほどではなく存在感が微妙に残る面白いレンズだと思う。
NEEWER 50mm F2.0
2017年7月購入。
これは標準域にHengyijia を買った時に安かったから一緒に買ってみたもの。同じスペックのレンズはNEEWER 銘とMeike 銘で出ているけど、銘板とか塗装とかが若干違いはするけど中身は同じもの だろう。
で、いきなり感想は身も蓋もないかもしれないが、このレンズは買いではない。スペック的には無難な数字だし、描写もそれほど悪くないし、コンパクトでいいのだが、このレンズは最短撮影距離が65cmと若干長い のだ。焦点距離50mmなら最短撮影距離も50cmまでは頑張ってもらいたかった。このせいで、若干撮影が間延びしてしまって僕にはうまくリズムがとれなかった。
あるいは、普段からレンジファインダーカメラを使うのが主で、あまり近接をしないよ、と言う人なら無難に使いこなせるのかもしれない。
そうではない人は、純正XF50mmF2が最短撮影距離頑張って39cm なので、そっちの方が何かと便利に使えるのではないかと思う。
その他買った感想としては
・ピントリングはてごろなねっとり感 があっていい。絞りリングはかなり重ため で、クリックのないタイプ。XF純正・サードパーティ含めてこれだけ重たい絞りリングと言うのはあまりないと思うが、操作はこのぐらいしっかりトルクがあった方がやりやすい気はする。
・ピントリングのターレット はニコンやペンタ(タクマー)、フォクトレンダーみたいな段差と溝が交互に来るタイプ。絞りリングは朝溝だけのタイプなので、この使い分けをしているのはよろしい 。Hengyijia 25mm F1.8はどっちのリングも同じ模様のターレットなので時々間違えて距離操作をするつもりで絞りリングをいじってた、なんてことがあるがこれはそういう誤操作しにくくて良い。ピントリングのターレットは、パッと見の印象は結構イカツイのじゃないかと思うが、ピントリングの幅がそんなに幅広ではないこともあり、意外に静かなたたずまい。
・逆光はやや弱め。逆光にすると盛大にフレア出すことができる。
・描写はわりと端正。とはいえ、Hengyijia 25mm F1.8ほどではないものの周辺が荒れることもある ので、多少絞った方がいい。
と言った感じ。
以下作例。
定番のモミジ。多分開放、最近接。もう一声寄りたいなあ、と言うのが印象だった。明暗差の大きいボケの輪郭に若干フリンジが出ているが、いわゆるパープルフリンジのような、軸色収差由来のものはあまりなさそう。
多分周辺部の荒れ方からすると開放だと思う。結構メリジオナル方向に伸びたコマが出てる。このレンズで天体写真を撮ったら、結構汚くなってしまう事だろう。
こっちも開放だと思うのだが、解像しているところは結構しっかり解像していると思う。若干ポップコーン気味ではある。新海三社神社にて。
近接気味で、スギの樹皮などの質感は良く出ていると思う。実はこの写真、撮影ポジション的には逆光になっていて
ちょっとだけ横に動いてレンズに逆光が当たっていると、こんな感じに盛大なフレアが出た。
COLOR-HELIAR 75mm F2.5
2017年7月購入。
中望遠域のレンズはいろいろ悩ましいが、最初にターゲットにしたレンズはカラーヘリアー 。このレンジのレンズは純正で60、80mmのマクロと90mmのレンズがあるが今一つ大きく重たいのが気になったのと、60mmならまあまあコンパクトだがもう少し焦点距離が長いものが欲しかったのだ。で、サードパーティではコンパクトなm/Lマウント にしようかなあと漁っていて、目に留まった。カラーヘリアーの75mmはKマウントのSLレンズは使ったことがあって、その時の印象では「結構柔らかいながらも芯はしっかり写り、ボケも柔らかく絞り変動に伴う描写の変動も少ない、扱いの楽な優等生 」と言う感じだった。で、Lマウント の物に手を出してみた次第。
使ってみた印象としては
・レンズはコンパクトなのは良い。絞りリング、ピントリングの操作感は安心のコシナフォクトレンダークオリティ。しいて言えば、SLレンズよりコンパクト(華奢)なのでピント・絞りリングのトルクが若干軽め。
・描写は思ったよりカリッカリ だった。ファインダーでのピントの山はなぜかイマイチつかみにくく、若干苦労するのだが、いざ撮影画像を見るとピントはビシッと来ていて気持ちがいい。一緒に買ったSWH15mmがピント甘目なのに対し、こっちはなんでこんなに、と言う印象。フィルム時代の設計のレンズとはとても思えない。さすが、中望遠で欲張りすぎてないF値のレンズの性能はいいもんだなあと改めて実感。
・逆光は若干弱め 。パープルフリンジも若干のる 印象。
・べた褒め気味に近いこのレンズだが、決定的な弱点が一つ。レンジファインダ向けのレンズなので仕方ない側面はあるのだが、最短撮影距離1m はきつい。対象物に寄りきれない。SLレンズだと70cmまで寄れるので、この30cmの距離感はつらい。
と言ったところか。最短撮影距離さえ何とかなれば、安心のレンズになるかと思う。ので、今後はフジXマウント側の接写リングでも買おうかと考えてはいるのだが、接写リングと言うのはなにぶん使い勝手はだいぶ面倒になるので、まあ本体で最初から70cmまで寄れれば(できれば50cmぐらいまで寄れれば)現代でも無敵レンズだよなあと思った。
あと、レンズのせいではない欠点だが、この辺のレンジから手振れ補正機構がないのがボディーブローのように地味に効く 。撮影して自宅に戻ってきて確認するとぶれていた、と言う写真を慣れないうちはそこそこ量産してしまった。撮影時は当然絞り優先オート露出撮影になるわけだが、撮影時にはシャッタースピードもチェックして1/100secより遅くならないように気を付ける必要がある(頑張ればもう少し遅いssでも撮影できなくはないが、やっぱ等倍鑑賞できることを考えると基本のシャッタースピード限界はきっちり守っておかないと厳しい印象)。ぜひともボディ内に手振れ補正機構を組んだボディをフジに開発してもらいたいものだ。なにもオリンパスのように5段6段なんて神がかりな補正はしなくてもいいから、2.5段~3.5段補正してくれるだけでもずいぶんと楽になるしね。
以下作例
逆光気味のひまわり。最短撮影距離付近、さすがに少し絞ってあるか。ほれぼれするようないい解像をしている。背景の青空が白飛びせず粘っているのは、レンズの素性と言うよりはカメラが優秀と言える(撮影時はこれは背景白飛びしてるだろうなと思い込んで撮ってたぐらいなのだが)。フリンジっぽいものもほぼ皆無だし、後ろボケもふわあとゆるやかだし、素晴らしいレンズだなあと。
真逆光の構図。なだけで写真としては何写したのかわけ分からんけど。さすがにこのぐらい強烈にやるとパープルフリンジが少し発生しているのが分かる。フレア・ゴーストの類は構図に太陽が入るところではあまり出ず、太陽が画面外斜めに差し込んでくるぐらいのところで若干発生する。
この日は内山のコスモス祭りで、ライブイベントをやっていた。歌っていた方の名前は失念したけど、ギター弾き語りで牧歌的な雰囲気がとてもよくあっていた。せっかくだからこの写真はアスティアで仕上げてあげればよかったかな。このレンズだからこの程度で済んでいるけど、もっと硬いレンズで撮ったら前ボケも後ろボケもうるさくなっていただろうな。
せっかくなのでボディ内RAW現像でASTIAを適用させてみた。でも人物はこのサイズだとあまり影響ないな。
最短、開放。ピントのノリ、ボケの柔らかさ、完璧ですな。
HandeVision IBERIT 75mm F2.4
2017年8月購入。
もともとは上記のカラーヘリアー で行くつもりだったが、イベリット が販売終息?売り切り体制に入ったらしくamazonでガンガン値下げ販売をしていた ので、思わずつられて買ってしまった。結果、目下のところカラーヘリアー 様すら押しのけてこのレンズが『僕の相棒』になってしまっている。超お気に入りレンズ。
イベリット のレンズシリーズを出しているハンドビジョン は、中華レンズなのだが、一応「ドイツでレンズ設計」したので画質で他の中華レンズと一線を画す、と言うふれこみでやや強気の値付けで売っていたレンズだ。24mm/35mm/50mm/75mm/90mmと言うラインナップで当初攻める目論見だったようだが、結局24mmと90mmは市販はされず、Xマウントでは50mmと75mmしか出ていないように見える。50mmもまあまあ魅力的なレンズだったが、スペック的にはもう少し長めの焦点距離のレンズが欲しかったので75mmを選択。75mmで選ぶと言ってもブラックにするか/シルバーにするか、Xマウントにするか/Mマウントにするかで都合4パターンの候補ができてしまうのだが、そのうち3種類を買って試してしまった(←バカ)感想から言うと、Xマウントのレンズを選んだ方が良いようだ。と言うのも、XマウントとMマウントでは最短撮影距離が違っており、Xマウントが60cmまで寄れると言う魅力があるからだ(Xマウントでも70cmまでは寄れるので、決して悪くはない数字なのだが)。ただし、毎回レンズ装着時に焦点距離入力をするのはやっぱり純正Xマウント-Mマウントアダプタを使う方が便利であり、そっちの利便性を優先するのならMマウントでもいいかなと思う(あと、MマウントならEマウント用に転用もできるかな)。
そんなレンズだが、使った印象としては
・レンズの外観は土管と言うか、段差のほとんどない細長いレンズなのでかっこよさは若干カラーヘリアーが勝る。カラーヘリアーの方が全長も短くてコンパクトだ。
・操作感は満足。ピントリング・絞りリングともに操作で過不足はないし、他の中華安物レンズと違って絞りリングはちゃんとクリッカブルストップがある 。
・描写もカラーヘリアーと五分五分の良い出来。さっと使っている分には、ピントのカリカリっぷりも、ボケの柔らかさも合格点の上を行く感じ。カラーヘリアーよりこっちの方がファインダ上でピントの山が若干つかみやすいような気もするが、気のせいかなあ。
・最短撮影距離が短いことによる利便性は、作例参照。被写体に寄る、と言う部分ではこのレンズなら不満は出ない(これ以上寄るのは完全にマクロレンズの仕事だろう)。
・若干逆光に弱い。パープルフリンジは結構のる 印象。
と言ったところか。パープルフリンジ以外は弱点がないので、非常に扱いやすい。しいて言えば、カラーヘリアー の項目で述べたのと同じく、手振れ補正機構が欲しいなあと言う事だろう。
以下作例。
いつものようにモミジ。開放、最短撮影距離だと思う。もう少し撮影倍率大きいかと思ったけどこんなもんか。解像性能は高いのだが、寄りすぎてピンがバッチリ来てるところがないか。
最短撮影距離、F4ぐらい。トンボの羽が非常によく解像している。このぐらいカリカリがでると気持ちいい。このレンズ辺りになると、F8辺りでは回折ボケの影響が出てくるので、一番おいしいのはF4~F5.6ぐらいだと思う。
これはゴーストの出た作例。逆光だとフレアもゴーストもそれなりにでる。今のところは手でハレ切りしたりして頑張っているのだけど、片手でハレ切りして片手でシャッター押すともれなく手ブレ写真量産になってしまうので、素直にフードを買った方が良さそうだ。手元に標準レンズ用ならφ49mmのフードがあったので装着してみたが、あまり効果がなかったのでもう少し望遠用のフードが必要なようだ。でもそれはかさばってしうまうな…。
これはパープルフリンジの作例。もっと酷いパープルフリンジが出た作例は自重した…。やぎさんのお顔がフリンジでまくっている。後ろボケなんかは非常にきれいなので、うまく使いどころを考えなきゃいけないところだ。まあ、RAW現像すればサクッと消せるんだけどね。
FUJINON XF 90mm F2 R LM WR
2018年3月一日レンタル。
特殊レンズの欄に載せてあるが、XF80mmも使用したのだがずいぶん大きく重く、日常に使うのはちょっと困難だなと感じたので、こちらを東京に行った折に一日レンタルで使用してみた。こちらもそれなりに大きいレンズだが開放F値もF2と明るく、その明るさでこのサイズ感ならまあ我慢できるかなあと感じたレンズだった。
使ってみた印象としては
・サイズ感はこんなものかなと思う。もちろん、もう一声小さく軽いと言うことないのだが。
・作りは結構がっしりとしていて安心感がある。ピントリング・絞りリングの操作感は、短時間の試用ではあまり不満は感じなかった。
・AFは遅い。スポーツ用に使うレンズではないだろう。普通のスナップ用途なら別に不満の出るAF速度ではないとは思うが。
・画質はいい感じ。特に、XF80と比べて口径食が出ないところがさらに扱いやすさを感じさせる。
と言ったところか。個人的には、XF80を持ち歩くよりもはXF90で必要に応じて接写リングを併用する方が良い気がする。手振れ補正が必要ならX-H1を買ってボディ内補正を使えばいい。もちろん、マクロ域の倍率は接写リングを使っても本物のマクロレンズには及ばないが、単品の花を写す程度の倍率ならマクロレンズは必要ない(例えば、雄しべ雌しべを拡大したいならマクロレンズ必須になる)。
以下作例
最近接、開放F2。この日はソメイヨシノの開花日で、まだつぼみの花が殆どで丁度撮影できる場所に手ごろな開花した花がなかった。開いていればこの距離感ならそこそこ満足できる写真が撮れるのではないかなあと思う。口径食が少なく、扱いやすい。前ボケになりかけのところが少し二線ボケ傾向か(かなりシビアに判定しての話)。
最近接+マクロエクステンションチューブ MCEX-11の併用、F5.6。接写リングを使うとここまで寄れる(16mm厚の接写リングMCEX-16を使えばさらにもう少し寄れる)。フジの場合ボディとの連携はすべて電子なので、接写リングは着脱が面倒ではあるものの装着時に何か不満の出ることは少なめ(もちろん、マクロレンズより収差は多く出るだろうが)。個人的にはこのぐらい寄れれば撮影できなくて困ることは無いと思う。
近景+開放作例 ピントが薄すぎて今一つどこにあっているのやら状態。後ろのボケはとても滑らかで、このレンズの素性の良さがよく分かる。
ほぼ同じ構図で、F4に絞って 2段絞られるので、被写界深度もだいぶ広がる。後ろのボケは相変わらず滑らかなのはいい。ただし、別の撮影で点光源を後ろに入れた時に開放ではもちろん円形にボケるのだが、少し絞ると絞りの形が出て多角形になってしまっていた。その辺の詰めの甘さがフジにはある気がする。
レッドブル・トロロッソ・ホンダF1のオープニングイベントにて。BMXジャンプショー。被写体ぶれが出てしまうので、思い切って高感度にしている。絞りは開放だと被写界深度が若干まかなえないので一段絞ってF2.8で。なんだこのレンズでもスポーツ写真撮れるじゃん、と思いきや実はこの写真はMF置きピンで撮影している。この速度でAFは無理だった。BMXジャンプショーは僕の座った位置も良かったのか、比較的横にスーッと動くだけで前後の移動がなかったので、MFでもなんとかなった。
随時更新。
X-T1/X-T2用に購入した標準レンズのレビューエントリ。焦点距離的には24mm~45mm(換算36mm~67.5mm) までのレンズで検討したもの、購入したものをメモ。
超広角・広角域(焦点距離的には~23mm(換算34.5mm) までの)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(3) 超広角・広角レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
中望遠域(焦点距離的には46mm~100mm(換算69mm~150mm) まで)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(5) 中望遠レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
望遠域(焦点距離的には100mm~(換算150mm~) まで)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(6) 望遠レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
特殊効果レンズのレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(7) 特殊効果レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
とりあえずざっくり調べた使えそうなレンズ一覧は以下の通り。
L/Mマウントレンズは1990年代以降の新しめのレンズ(ライカ純正を除く)を掲載。
一眼レフ用のレンズは未記載。
このジャンルにはサードパーティの中華Xマウントレンズが何本かあるが、いずれもカメラとの電気的連動が一切なく 、MF/マニュアル絞りなのは言うまでもない上に、Exif上にレンズデータが記録されない のが残念(焦点距離のみ、カメラ内で設定することでExifに反映される)。そもそも、XマウントサードパーティレンズはCarlZeissのTouit以外電気的連動をしないのだが、例えばSONYのEマウントレンズならば電気的連動をするものが(マウントアダプタを含めて)あるのに、Xマウントではそういう製品がないのは残念。Eマウントは解析してでも対応する価値があるが、Xマウントには解析する価値がないと言うことなのだろうか。あるいはEマウントは情報公開があるがXマウントは情報公開がないと言う事だろうか、いずれにせよとても残念なことである。
FUJINON XF 35mm F1.4 R
2017年6月購入。
とりもあえずに最初に買った、と言うかX-T1ボディと一緒に買ったレンズがこれ。僕は基本的にズームレンズを好まず 、単焦点を使いたい人間なので、まあ今回は定番の標準単焦点から行ってみよう、と選んだ。対抗馬としては
・XF 35mm F2 R WR
・Touit 32mm F1.8
辺りか。個人的にはペンタックスAPS-CでFA31mmを愛用 していたこともあり、35mmよりも心もち広い画角のレンズが欲しくはあったが、Touit 32mm F1.8 はレンズデザインかっこ悪すぎなのでひとまず見送った。XF 35mm F2 R WR もかなり悩んだが、スペック上ではF2になる割にはレンズ全長がコンパクトにならないこと(実際にはレンズ径が細いのでだいぶコンパクトには感じるだろう)、よくよく考えると今までF1.4のレンズは使ったことがなかったこと(せいぜいFA Limited 3本や SMC-M 50mmF1.7 ぐらいだった)、世間の評判では『XF 35mm F1.4 R はAF速度が遅い』とのことだったが全群繰り出しで遅いのは全然気にならないタイプだったので、ファーストチョイスとして選んでみた。
レンズと一緒に買ったのは
まず、ステップアップリングで52mm→58mmへ変換。これは、使いたいタムロンのレンズキャップが55mmと58mmを持っていること、使えるフィルタで58mmの物をもっていることから。
普通はまあ不要だろう。
フィルターはもともと持っていたC-PL 58mmの物を流用。開放F1.4はシャッタースピードがむしろ使いにくいぐらいなので、ND代わりにもなるC-PLフィルタを基本的につけっぱなし。
簡単な印象としては
・描写はまあまあ良い。F1.4開放から僕には普通に使える。
・最短撮影距離28cmと言うのも無難。テーブルフォトを撮るのに座ったまま撮影でき 、立ち上がる必要のない、楽ちんな最短距離。
・ピントリング、絞りリングはちょっと軽すぎるかな、と言う印象。このレンズのピントリング、絞りリングは所詮は電動エンコーダなので、もっと感触よく調整できると思うのだが…。
・ピントリングをMFで使った時の距離移動のゆるさ はどうにかならないものか。もちろん細かい方が微調整しやすいのではあるが、このレンズ、MFにすると無限遠から最短距離にするまでピントリングをおおよそ2回転しないといけない 。マクロレンズなわけでもないし、明らかにこれは設定をミスってるんだろうと思う。
・難を述べるとしたら、もう一声小さく薄くできるのではないだろうか。まあ、F1.4のレンズだからサイズ感はこんなもんで、F2のレンズの方でもっとサイズ感頑張った方がいいんじゃないかと言う感想の方が大きいが。
と言う感じ。最初は、換算52.5mmは心もち狭いのではないかなあと思ったが、使ってみるとそれほど苦にはならずに使えるようだった。
以下、参考に撮った写真。
開放絞り、ほぼ最短で。作例替わりに載せてる写真、とりあえず今後もモミジの接写をとっていこうかと思う。分かりやすいし。
近接時のモミジの大きさはXF 16mm F1.4 R WR とそれほど差がない。XF 16mm がよく寄れるレンズと言う事か。XF 16mm は最短でも被写界深度が深めなこともあって結構カリカリしてたけど、こっちは緩めの描写。一応ピントの合った領域では葉脈が分かる程度の解像度はあるけど、ピントが薄すぎるのもあってカリカリ感はない。
後ろボケは若干レモンボケになるけど、この程度ならあまり嫌味はないと思う。光源ボケの輪郭強調がないので、優しい感じなのはとても良い。
もう一枚、開放・最近接。
これだけ寄れればマクロレンズは必須で持ち出さずともなんとかカバーできそう。ピント面近傍の前ボケ・後ろボケともパープルやシアンのフリンジが出たりせず、癖もなくとても扱いやすい。ピントが若干甘めなので、少し湿度のある描写をする。まあ写真が悪いので今一つ伝わらないかもしれないけど。
F5.6まで絞って。ここまで絞ってこの解像と言うのは、カリカリを求める人には心もち足りないかもしれない。
逆光・最近接・F4。逆光でコントラストを立たせると若干野太い描写になるかな。さっきも書いたけどボケの輪郭に色づきがないのはとても良い。
F2.8。XF16mmでF1.4の似たような構図の作例を載せてあるのでそっちとも比較のこと。F2.8まで絞ってもこっちのが甘いかなあと思う。
F4、無限遠近傍。F4ではこの程度の距離感だと無限遠~画面内の手前の物(多分距離数m)にピント合わせ切れない。焦点距離35mm、許容錯乱円0.02mmで計算するとF4の時の過焦点距離が15.47mとなるらしいのでこのぐらいの構図で全体にピントを届かせたいならF8-F11ぐらいまでは絞らないとダメか。
ピントが中途半端にあっていると、輪郭強調がかかるのか葉っぱがモヤモヤする(とくに中央上側の桜の葉で顕著)、これがシチュエーションによっていわゆるポップコーンノイズになるのだと思う。
Hengyijia 25mm F1.8
2017年7月購入。
中華製サードパーティレンズには、NEEWER /Meike /Hengyijia あたりの格安レンズ と、HandeVision /SPEEDMASTER /SAMYANG あたりのやや高級ライン があるが、個人的には高級ライン側のレンズには今一つ魅力を感じない。その値段を取るのなら、MFのままでいいけど焦点距離やF値はExif連動にしてほしいと思うからだ。
と言うことで、格安レンズの方から試してみようと言うことになった。ブランド名が違うだけで実質同じレンズ等もあり、スペック的には25mmF1.8 /28mmF2.8 /35mmF1.7 /35mmF1.8 /50mmF2.0 辺りがあるが、35mmは純正F1.4があるから不要だろうと言うことで、50mmはとりあえず買ってみるとして、25mmを買うか28mmを買うかはちょっと悩んだが、レンズ全長3mm長くなるだけで開放F値が1.8になるならそっちがいいなあ、と言うことで25mmF1.8 の方を買ってみた。
なお、この辺のレンズは、おそらくシネレンズとかの光学系をスチルレンズ用の筐体に入れたものだろうと推察される。ので画質的には若干落ち、特に周辺画質が若干荒れそう なのは予想できる。
簡単な印象としては
・描写はまあまあ。近接撮影では無難によく写り 、テーブルフォトなどには開放から使えるので良好。無限遠はやはり周辺画質が破たんする 。像面湾曲も若干あるようだが、サジッタルコマフレア(この場合はメリジオナルコマフレアなのか?)の発生が顕著なようで同心円方向に像が流れる。うまく使えばグルグルボケになるのかもしれないが、無限遠気味のでグルグルってどう使えばいいのかまだよく分からない。
・逆光画質はお察し 。盛大にゴーストもフレアも出る。手で軽くハレ切りしてやるだけでもだいぶマシになる ので、あまりに気になるのなら深めのフードなどおごった方がいいかもしれない。個人的には、逆光のへっぽこさはそのまま活かしてフレアで表現を考えた方がいいと思う。
・ピントリングは軽すぎるとは思うが、何せ可動する光学系が軽いし、剛性感はあるのでこんなもんかと思う。絞りリングはやや渋めでちょうど良いトルク感。
・最短距離18cm はいい。このレンズをボディにつけっぱでとりあえず何でもこなせる感じ。
・難はさすがにいっぱい。一番ダメなのは、レンズマウント側の作りが甘いらしく、カメラボディにはしっかり装着できるのだが、プラスチックのレンズリアキャップを装着するとユルユルで外れやすい 。フジ純正のキャップの方が外れやすく、レンズに付属してきた中華製レンズキャップの方が幾分かマシであるが、外れやすいのは結局同じなのでこの辺は何とかならないものか。
・ピントリングと絞りリングの模様(ローレット)が同じなのはいただけない。たまーに間違ってピントリングを操作しているつもりが絞りリングを操作している ことがある。絞りリングにF値ごとのクリックストップがないので、ますます誤操作に気づきにくいのだ。絞りリングにクリックストップをつけるか、ピントリングのローレットを変えればよいと思う。おそらく、この手の格安レンズはクリックストップ用の機構すら省略することでレンズ生産コストを落としていると思うので、せめてローレット加工は欲しいかな(実際、NEEWER 50mm F2.0はタクマーみたいなピントリングローレットなので、誤操作が少ない)。
・ピントリングを回しきった位置は無限遠ではなくオーバーインフになっている ので、無限遠の風景を何気なくパチリとやるときも多少のジリジリしたピント合わせ動作が必要。カメラ本体の設定をいくつか適切に組み合わせてあると、X-T1では背面のフォーカスアシストボタンを押すことで、X-T2では後ろ電子ダイアルの押し込みで、ピント位置の拡大ができるので活用した方がいい。
・使い始めてしばらくしたら、なぜか操作中にピントリングが前後にがたつくようになった。「?」と思っていたら、使用後にレンズをボディから外した時にコロン、とネジが落ちてきた。何かと思ったら、レンズのマウント座金を固定していたネジが一本外れて落ちたのだ。無くさなかったのでしっかり固定しなおして一難をえたが、さすが中華クオリティ。もしも外れたネジがボディの撮像素子が露出している側に落っこちていたら…とか考えると結構笑えない。
と言ったところか。
このレンズは、何度も説明しているようにExifに撮影レンズ情報が入らない。焦点距離情報のみボディ側設定にて記録できるが、このメニューがメニュー階層の結構深いところにあり、Fn割り当てとかができないので、レンズ交換時に設定変更が煩雑(な上にチョイチョイ忘れる)。のでこのレンズを持ち出すときは基本的にこのレンズのみ装着して持ち出し、レンズ交換は諦めてゆるーく撮影するスタイルがいい と思う。換算37.5mmと言うことで標準と言うよりは広角レンズに近い性質のレンズなので、気楽に撮影するにはあまり悩まずに使える便利なレンズである。
以下、参考に撮った写真。
多分開放、最短距離より心もち離れてるかもしれない。ピント面の解像は若干ゆるいが、ピント面前後のボケのつながり方や後ろ側の大きなボケなど、嫌味なところがないので扱いやすい。ボケの輪郭の色づきもなし。
開放、最短距離だけど若干ピントの山外してるかな。いやピント面の解像がこんなもんなのかもしれない。まあまあホワホワ感が出て、これはこれでいいんじゃないか。後ろボケが若干レモン気味なのがなかったらもっと利用価値高いかもね。
最短距離の辺だけどなんとなく少し(F2.8ぐらい?)絞ってある気がする。アジサイのつぼみ(と言うのか?)がこれだけ解像してればまあ充分かなあと。
開放、テーブルフォト(要するにラーメン)。解像はこんなもんで充分じゃないだろうか。焦点距離的にも最短撮影距離的にもこういう撮影はとっても楽ちん。後ろの反射光源ボケがほんの少し輪郭あるかと思うが、この程度で目くじら立ててたら使えるレンズは全然なくなってしまうな。
半逆光。頑張ればフレアはもっと盛大に出る。周辺画質に考慮して、F8ぐらいまでは絞ってあると思う。解像はもう一つかもしれないが、シャッタースピードがかなり低速なので微ブレもあるかもしれない。
無限遠、絞り開放だと思う。中心は無限遠でもそこそこ使えるが、周辺はグダグダになる。周辺減光も若干ある。
絞り別比較作例、多分開放F1.8
多分F値4か5.6
多分F16
順光気味の撮影だけど、絞り開放は周辺減光と言うより周辺の色シェーディングがちょっときつい感じ。解像感もないので輪郭強調のドロドロ感がちょっときついかも。F4-5.6ぐらいに絞ると周辺減光は改善し、周辺画質もまあ妥協できる感じかな。思い切ってめいっぱい絞ってF16などにしてしまうと、Exif絞り情報が伝達されていないのでボディ内の点像復元処理が働かず、小絞りボケのゆるーい絵になってしまうのでお勧めしない。
7Artisans 35mm F1.2
2018年2月購入。
5ちゃんで情報をやり取りしている中で気づいて、興味を持ったので12mmF2.8 とともに購入。
とにかくF1.2と言うハイスピードレンズなのにこの安さ と言うので買ってみた。
簡単な印象としては、
・まず外観から、F1.2レンズとは思えない非常に小柄なレンズ である。正直、外観の大きさならHengyijia 25mm F1.8 とどっこいどっこいの大きさ。実際にはレンズを前から見ると両レンズで前玉の大きさが全然違うのが分かるのだが。繰り返しになるが、F1.2の光学系でフィルター径43mm と言うのがまずびっくり。
・そして作りもなかなかに素晴らしい。総金属製であることは言うまでもなく、絞りリングの先からピントリングに向かってテーパードにすぼまる造型が美しい 。ピントリングも、細身ながら強めの梅鉢型ローレット でとても個性的。
・絞りリング、ピントリングのトルク感はほぼ標準的。しっかりねっとり感はある。中華レンズのご多聞に漏れず絞りリングのクリックがないのが残念と言えば残念か。
・次に画質的には、正直甘さを楽しむと割り切るべき かと思う。中心画質は開放でもそこそこで、絞り込むことで若干の向上があるが、良像範囲があまり広くなく、周辺画質は甘々になってしまう。
・近景などでもピントを合わせようにもフォーカス拡大をしてもピントの山がつかみにくく 、なんとなく不安なままシャッターを切るしかない。で、実際、解像は甘目でピントの芯はあるようなのだが周囲にフレアがかったベールが出ていて非常に甘い描写になる。
と言ったところか。できれば開放で甘くとも絞り込むことでピントがキリリと立つ、と言うのが好ましいのだが今のところの印象では絞っても若干甘い感じがする。ので素直に甘さを楽しむレンズとして使うのが良いだろうか。
以下作例
遠景、開放F1.2。画面中央は解像しているが、周辺部はモヤモヤ。また、周辺減光が結構ある。とは言え、そもそも野外風景をこのレンズの開放で撮影すると言うのが無理があるので気にする必要はないと思う。この写真でも、ISO200と最低感度なのにss1/30000(電子シャッター)と言う非現実的な露出になっている。
以下は絞り変化の比較。これはF1.4ぐらい。周辺減光は若干改善する。周辺画質は相変わらずへっぽこ。
これはF2ぐらい。周辺減光はほぼ気にならなくなる。周辺画質も若干改善しているが、まだ甘め。
F2.8ぐらい。
F4ぐらい。
F5.6ぐらい。この辺ぐらいが解像最良かなあと思うが、まだ周辺画質は甘めではある。
F8ぐらい。
F16ぐらい。点像復元機能は働かないので若干小絞りボケが出るんじゃないかと思うが、あまり気にならない。小絞りボケが気になるほど本来の解像していないからだろうか。
開放、最近接。ソフトレンズかと思うような描写だけど、これはこれで楽しい。Hengyijia 25mm F1.8に比べると寄りはもうひとつなのだが、まあこれだけ寄れれば良しとした方がいいか。
これも開放、ほぼ最近接。背景の光源ボケっぽいものはあまり口径食など出ていないようで素直だが、カップの縁のところの光源反射などは非点収差でもあるのか?みたいな中途半端に歪んだボケ方をしている。この辺はまだ試写不足なので断定はしづらいのだが、Hengyijia 25mm F1.8の素直にボケに比べると相当に扱いには苦労しそうではある。F2ぐらいに絞っての描写をよく調べてみたい。
最近接付近で、少し絞ってみた作例。F2.8ぐらい。F2ぐらいのも撮影してみたが、周辺部にほんの少し流れを感じるのでF2.8ぐらいまで絞った方が無難かなあと思う。まあまあピントは出るけど、やはりにじみと言うかハロと言うかがでて甘い描写にはなる。フリンジの色つきは少なさそうだ。
中景の作例、エストニアの伝統音楽をアコーディオンで弾いているお姉さん。F1.2開放のつもりで撮影したら、絞り回しきるの足りなくてF1.3ぐらいになっていた気がする(絞り値がExifに残らないのはこういう撮影情報を記憶に頼らないといけないのがつらいところ)。開放の割には意外によく解像している? でもなにか魔力的な魅力を感じる描写ではないかなあ。バストアップぐらいの中近景を撮影して描写具合を確認したいところである。
同じく中景、F2ぐらい。上記ほぼ開放の作例と比べてそれほど描写に差はないか(前に写っている人の頭のボケ具合で絞りが違うと認識できる程度)。周辺の方まであまり破たんがない。
開放近景。この辺になるとピントを掴むのが非常に面倒になる。EVFで拡大できるからギリギリ分かるけど、OVFだったら多分つかめてない。
これはオマケ。ただのモノクロ写真ではなく、IR720フィルタをかませた赤外線写真。とは言ってもこの写真じゃ赤外の意味ないけど。こういう写真でも遠慮なく早いシャッタースピードを切れるのはありがたい。