【お酒レポート】:黒澤 963 80

長野県佐久穂町の黒澤酒造で作られたお酒、『黒澤 963 80』。

黒澤酒造は『井筒長』と言う銘柄のお酒で有名なお酒。僕も井筒長は結構好きなお酒で、ちょこちょこと飲んでいます。若干信州くさい田舎酒ではあるけど、どちらかと言うと端麗辛口気味のお酒で、冷や好きな僕の好みには合っているお酒です。

今回はそこの銘柄、『生酛 黒澤 純米80 96380(クロサワマル)』。精米歩合が80%という『あえて削ってない』お酒

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「2014【平成26酒造年度】瓶火入れ、蔵内常温貯蔵 磨くだけが能じゃない!地元産酒造好適米”ひとごこち”を二割削り、生酛造りでじっくりと醸しました。 味わいとふくらみ、飲み応えあるお酒です。」とある。
アルコール度数:15度
精米歩合:80%
日本酒度:+5
酸度:1.7
酵母:協会901号
という、若干濃口辛口のお酒。冷・ぬる燗・熱燗向きのお酒と書いてあります。

精米歩合の少ない「あえて削ってない」お酒と言うのが今流行だと、先日NHKのクローズアップ現代でも話題に出ていたので、せっかくだからと購入してみました。一升瓶(1.8l)で税込¥2,117円とまあまあ手ごろなお値段のお酒。

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徳利(僕が使っているのはガラス製で、徳利自体がやや青みがかっています)を見ればわかる通り、わりとしっかりした日本酒色(黄色味がかった色)をしています。
精米歩合が低いので、まあ当然ではあるのだけど雑味がしっかり残っていて、「ああ、信州のお酒だなあ」と感じます。ただ、雑味ではあるものの鈍重さを感じさせるような類のものではないです。(生酛だから乳酸菌の影響が大きいからだろうと思うのだけど)軽い酸味があるので、意外にすっきりしていて、ちゃんと今時のトレンドの飲み飽きないお酒になってると思います。先ほど書いたクローズアップ現代の話でもあるけど、精米はしすぎないで個性を引き出すようにしつつ、その塩梅をうまいところに落とし込むことで値段と味のバランスをうまく整えたお酒なんだと思う。
香りはほとんどないのだけど、下手に重たい香りがするよりはずっと良いと思う。

【お酒レポート】:ささら 澤の花 超辛口吟醸

気が付いたらブログに載せたいレビューが結構貯まってたのでちょっと焦ってるかも。

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前回ちょろっと紹介した、伴野酒造の『澤の花 ボー・ミッシェル』と同じ酒造会社で作られた、超辛口吟醸のお酒、『ささら』。720mlで¥1,150(税抜)なり。
おそらく、伴野酒造は僕の家から一番最寄にある酒造会社。

この日本酒は、名前の通り日本酒度が+15前後となっている。超辛口。なのでキリリと冷やで飲んだ時の最初の口当たりが、「え? これってジン?」って思うぐらいのドライな口当たり。ただ、その後は長野県のお酒らしい独特の野暮ったさも少し感じる、おいしい日本酒の味が口に広がる。後味(のど越し?)はそれほどには感じなかった。これは、僕が普段ウイスキーをストレートで飲んでばっかいて濃いアルコールの感覚に若干麻痺している、と言うこともあるかもしれないし、このお酒がアルコール分を調整して15度と言う(日本酒では心もち軽めかもしれない)度数にあるのかもしれない。
総じて、香りはあまり際立ちませんでした。7月に飲んだので、かなりキリッと冷やしてから飲んだからかもしれない。(そもそも僕は燗したお酒飲めないんだけどね)

このお酒は、少し冷温熟成させてひやおろしにして飲んでもおいしいのでは?と思いました。

【お酒レポート】:茜さす 純米酒

新ブログに移行してから初めてのお酒リポート。
旧ブログと言うか、scrapbookの方に今まで飲んだお酒のレポートを書いてあるけど、僕は成人なりたての頃?日本酒をしこたま飲んで泥酔した、あまりよろしくない思い出があって、20代の間は日本酒をほとんど飲めなかった。20代中盤~30代前半ぐらいまで、お酒と言えば夏はビール、冬はスコッチと言う生活をしていて、ここ数年やっと焼酎(主に芋)や日本酒を再び飲むようになった。
と言うこともあって、旧ブログ含めて日本酒レポートは初めて。なので舌にはあまり自信がありません。

土屋酒造 茜さす 特別純米 五郎兵衛農薬無散布米
4合瓶・¥1,300(税抜)

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冷やで飲んだ(僕は燗したお酒が飲めない)。
まず瓶のフタを開けると、熟れた果実のような甘い香りがふわぁ、と広がり期待感をそそらせてくれる。
飲んでみると、芳醇な甘みが口の中に広がるが、日本酒特有の辛さのパンチもしっかり出ている。おそらく原酒のまま度数調整してないので、17度とちょっと高めなのも辛めのパンチに寄与しているかもしれない。
後味は甘みが少し尾を引くような感じ。すこしさっぱりしたものを肴にするのが合うかと思う。

造っているのは、長野県佐久市中込、中込駅から500mほど北北西に歩いたところにある(滑津駅からすぐだが、滑津駅は無人駅)、土屋酒造。レギュラーのお酒は『亀の海』。亀の海って佳撰のお酒とかあるのかなあ、あまり見かけない。4合瓶の吟醸酒を昔飲んだ記憶があるが、かなり甘口のお酒だったと記憶している。
アルコール度数17度、精米歩合60%、長野県産米100%とあるけど、コメの銘柄は瓶に記載なし。ネットで情報を検索するに、美山錦50%・ひとごこち50%使用とある。

このお酒の特徴は、原材料のお米に長野県産米の中でも、特に佐久市浅科地区の五郎兵衛新田のお米を使っていることにある。佐久市浅科地区(旧北佐久郡浅科村)は、この酒造会社がある中込地区から車で15分ほど西に走ったところにある。僕の知っている限りでは五郎兵衛新田のお米は長野県内で一番のブランド米であるはず。
浅科地区は千曲川が作り出した佐久平の沖積盆地から少し標高を登った台地状の土地で、昔(江戸時代以前)は主に馬の牧場として利用されていた地域(浅科地区に隣接して、さらに西側にある望月地区の方が駒場としては有名か)。で、江戸時代に市川五郎兵衛と言う人の尽力で隣の望月地区に流れる川の上流の方から、用水を造った地域。その用水設立は大変な困難があったそうで、用水の長さもあるし途中山の中をトンネルをくりぬいたりもあったりでと言うような苦労話が僕が子供の頃の道徳の教科書?だかに書いてあった気がする。おそらく都内などで高級なお米を売っている店に行けば五郎兵衛米と言うのが売っていると思う。
そんな五郎兵衛新田で農薬無散布で、イナゴやタニシと共に育った酒米を使って醸造したお酒とある。おそらく、農薬無散布≠無農薬ではないと思われる(低農薬米を育てている僕の父親に言わせれば、無農薬栽培は試したことがあったけれど育苗の段階で断念するほど規制が厳しいと言っていたので)が、健康なお米であることは間違いないと思われる。

オマケ。

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こっちは贈答用に買ったので飲みませんでした。今年の4月に京都で行われた酒-1グランプリで見事優勝した長野県佐久市野沢、伴野酒造の『澤の花 ボー・ミッシェル』。500mlかな。¥1,000(税抜)。