NEC LCD-P242W-B5 簡単なレビュー

PCの液晶モニタを買い換えたので簡単にレビュー。
今まで使っていたのはEIZO(NANAO)の21.3インチUXGAモニタ、FlexScan L997-BKで2009年3月amazonで購入、¥119,840円だった。
今回買い換えたのがNECの24.1インチWUXGAモニタ、LCD-P242W-B5で2016年9月yodobashi.comで購入、¥71,680円だった。
旧モニタL997を約7年半使ったことになる。
L997に買い換える前はNANAOのブラウン管モニタT761だった(2002年頃購入)から、だいたい7年おきに僕はモニタを入れ替えるらしい。

購入予定のスペック・環境について

今回の購入にあたっては、「WUXGA(1920×1200)解像度」「24インチ前後」「IPS液晶」「DVI入力(HDCP対応)」あたりを前提スペックとして検討した。

うちでは、現在デュアルモニタ環境でPCを使っていて、サブモニタはPanasonic VIERA TH-L23X5を使っている(同じスペックのモニタを2台並べているのではなく、ヘテロモニタな構成)。サブモニタは見ての通り液晶テレビなので、テレビを見る時はテレビとして、テレビを見ていない時にサブモニタとして活用するような環境。
この構成が割と便利で気に入って使っているので、環境をあまりドラスティックに(例えばもっと大画面のWQXGA4Kなどを導入するなどのように)変えることは検討しなかった。
ただ現在UXGA環境なので横解像度がちょっと物足りなく感じることは多く、標準的な1920幅であるWUXGA環境にアップデートすることとした。FHD(1920×1080)と言う選択肢もあるが、メインモニタが縦解像度12001080へ下がるのはなんとなく嫌だったので除外。メインモニタとサブモニタ間でウィンドウを移動させてもサイズ感があまり変わらない方が便利なので、サブモニタとドットピッチが近い(=今のUXGAモニタともドットピッチが近い)0.270mm前後で検討すると、自然と24インチ前後と言う結論になった。
液晶方式は斜めからでも見やすいIPS系以外は検討すらしなかった。今のモニタはモニタアームで吊ってあって、モニタを買い換えても配線などは特にいじらずにモニタだけ貼り換えで済ませたかったので、今のDVIケーブルをそのまま活用できる方向で検討した。HDCPは必要なのかどうか今一つ分からなかったが、今のL997はHDCP非対応で昔テレビ系機器を繋いだ時に表示できなかったので、一応対応しているものとした。

その他、検討情報としてあがりそうなのは「広色域(AdobeRGB等)対応」「ハードウェアキャリブレーション対応」「スピーカ内蔵」辺りの情報だろうか。
僕も写真撮影が趣味なのでAdobeRGBやキャリブレーション等はあってもいいかな、と思ったけど、AdobeRGBは自前でプリンタ印刷する一貫環境で必要な広色域であり、無意味に広いだけの色域のモニタを持っても別にメリットはないので重視しなかった。キャリブレーションに関しても、結局L997でやることはなかったし、自分でもあまり厳密な色合わせに興味はなかったので重視しなかった。スピーカに関してはあっても使わないので、無い方が好ましいが別にあっても邪魔でもない、ぐらいの印象だった。

実際に購入検討した機種

EIZO ColorEdge CG2420

購入検討した機種の中では一番最上位。EIZOのほぼてんこ盛りスペックなので、価格以外に弱点はない。CG2420(とこの上位機種であるCG247X)はPanasonic製液晶パネル(=L997と同じ、旧日立IPS α系)なのが大きな魅力だと思う。
かなり憧れたが、価格が高すぎること、そしてこの機種は映像制作まで見込んだスペックになっているらしいが映像制作なんてしないのでオーバースペックなこと、等々を勘案して見送った。
なお、購入する場合はこれほどの高価格帯の機種なら、あまりにバッタ屋的な店で買うのは不安だろうと思った。ヨドバシカメラではネットで取り扱いがなかった(コンシェルジュすれば取り寄せてくれるかもしれない)。マップカメラで取り扱いがあり、値段的にも最安に近かったので購入するなら無難そうに見えた(マップカメラ楽天市場店等でポイント活用すればきっとかなり割安に購入できるだろう)。また、EIZOダイレクトのメルマガを登録しておけば、年に数回割安に購入できるセール情報をつかむことが出来る。普段はCG2420は遮光フードや蛍光灯スタンドと抱き合わせ価格で安くなってるだけな気がするが、例えば今月(2016年9月)は税抜¥141,426円(税込¥152,740円)で購入できるセールをやっている。

EIZO ColorEdge CS2420

購入した中ではやや上位クラス。CG2420はさすがにスペック盛りすぎなので、現実的にはこっちの方が(液晶パネルが日本製じゃなくなってしまうという残念なところもあるが)良さそうには見えた。
結論としては、「広色域パネルは今回見送る」ということでやめた。2ちゃんで質問してみたら、「sRGB環境前提で使うんならRdobeRGBモニタはむしろ買わない方がいい」と言う参考意見をもらったからだ。別にsRGB色域に落として使えば問題ないんじゃないの?と思ったが、まあ必要ない機能に余計な値段を出す必要もないかなあと。
また、ここまではEIZOのモニタに乗り換えしか検討していなかったのだけど、NECも選択肢に入るんじゃね?という意見をもらって、そっちに路線変更したというのもある。

EIZO FlexScan EV2455-BKR

EIZO製品で選ぶのなら一番エントリーな製品。とは言え、これでも実用上問題ないかなあと言う感じではある。
この製品に関しては、「売りにしている狭額縁・軽量デザインはいらない(今までL997を使っていたので、むしろごつい方が安心感がある)」「EIZOの中ではエントリー過ぎて品質管理大丈夫なのか? という疑念が払しょくできなかった」「スピーカーいらない」あたりの理由で見送った。
なお、今yodobashi.comで¥58,890円+5,889ポイントで売っているので、お得な価格だと思う。多分yodobashi.comではもうすぐ終売らしく、在庫希少となっている。

Philips 240B4QPYEB/11

購入検討した中では一番廉価。別にこのぐらいのエントリーまで値段下げちゃってもいいかなあと検討した。2ちゃんの評判で「パネルがちゃんとはまってない不良品がめっちゃ届きまくりで、なんどか返品再送しないと当たり品に遭遇できない」とか言う噂を聴いてやめた。

Dell U2415

これとDellのU2412Mも一応検討。U2412Mはだいぶ製品が古く、目潰しパネルとしての評判があるのでやめた。U2415はDVI入力がないのでやめた。

NEC LCD-PA242W-B5

最終的に購入した機種の上位機種。こっちは広色域パネルを採用している。CS2420のところで述べた点と同じく、今回は広色域パネルを見送ったこと、またこれ買うのなら多分CS2420でいいやと思ったことなどから検討から外れた。

NEC LCD-P242W-B5

最終的に購入した機種。sRGB色域で手頃なこと、パネルの品質は割と評判が良かったこと、無骨で頑丈そうな筺体あたりに魅力を感じた。この値段帯で検討するなら、軽快で狭額縁がいいならFlexScan EV2455-BKRを、無骨なデザインがいいならLCD-PA242W-B5を選ぶのが良いらしい。
なお、このモニタは型番が「LCD-P242W」→「LCD-P242W-B4/W4」→「LCD-P242W-B5/W5」と変化してきているみたいだが、特に製品にあまり差異はなくて付属品とかが変わってるレベルらしい。

実際の製品レビュー

届いた製品はシリアルナンバーが65500819TJとなっていた。これって延べ生産台数が819台…ってさすがにそんなに少ないことはないよね…

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届いた外装。幅90cm近くあるでかい箱。

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ケーブル類は、電源コード・D-Sub15pin・DVI-D・DisplayPortが同梱。安物だとケーブルけちられてることもあるだろうなあ。でも使わないけど。

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取り出した直後の状態。

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背面側。スタンドがごつい。でもこれも使わないので外してしまう。

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スタンドを外すには、こんな風にパネル側を下にして置いて、スタンドをグイと持ち上げる。

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するとスタンドとパネルの間にこんな突起物があるのでこれを押し込む。

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設置前に新旧モニタを並べてみた。大きさは単純に横幅が長くなった感じ。

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上から見下ろして厚みを比較すると、LCD-P242W-B5の方が少し厚みが増した感じ。ただし、持ち上げた体感ではLCD-P242W-B5の方が心もち軽い。多分LCD-P242W-B5の方がLEDバックパネルな分軽いのだろう。

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設置完了の図。

まだ設置してあまり細かく設定を追い込んでいないけど、印象としては思ったより圧迫感は増えなかった。けど横幅が増えた分、画面内のレイアウトが少し変わりマウス移動量が増えたのがちょっと気になる感じ。
LCD-P242W-B5の方がパネル面を触った感じがサラッとつるっとしている印象。L997の方がもっとザラザラとした感触だった。視聴した印象では今までのパネルとそれほど差異はなく、目潰し的な悪い印象もない。旧L997パネルが多分経年劣化で若干黄色味がかって来ていたので、新しいパネルは心もち青い感じがする(とりあえず色温度は6500Kのまま)。
ネットのレビューでは「高周波ノイズがのる」という話があったが、うちでは特に気にならない。というか高周波ノイズは今まで使っていたL997の方がよほど酷かった…。
色合いの設定はブライトネス/黒レベル/色温度の他、6色の色相の色味/明るさ/彩度を設定できるのだけど、それほどダイナミックに変わるわけではなく、比較的穏やかに変わる感じ。

【2016.09.20追記】
とりあえず少し使い込んでみて、以下の通り設定は変えた。
・標準の画面はsRGBで色温度6000Kに変更した。普通は6500Kのまま使うか、5000Kまで落として使うことが多いようだがさすがに5000Kは色温度低すぎだと感じたので、ちょっと中途半端だが6000Kで。ブライトネスはかなり下げて10.0%で使っている(部屋の明るさもかなり暗めの環境で使っているので)。色合いの設定で6色の色味/明るさ/彩度は全部デフォルトの0のまま。

・動画閲覧用のプロファイルを作れないかと試しているが断念しそう。REC-Bt709またはsRGBで5500-5600Kに落として、6色の彩度だけ7-8まで上げる設定で、あたりで微調整しながら試行錯誤しているけど、動画によっては丁度良かったり彩度がきつすぎたりいろいろになってしまうので、結局デフォルトの(sRGB/6000K)プロファイルだけで使う方が素直でいいかなあ…という感じ。

・右下のLEDはイマイチ邪魔。色を青/緑、明るさを0%、5%~100%まで変えられるのでかなり自由にカスタマイズできるのは優秀なのだが、LEDにチラツキがあり、モニタを見ながら視線移動した際に右下の方で瞬きのようなものを感じるので結局どの明るさにしても邪魔な印象。まあ邪魔なら消灯も出来るというのは有能な機能なのだけど。
でも消灯はなんかつまらないので、今は最低輝度の5%、GREENの設定で減光シールを貼ってなんとかならないか試している。
LEDの設定はアドバンスドセッティングの6番にある。

LEDのところに貼りつける減光シールは↑で。780円はちょっと高い気がするけど、そこそこの数が入っているので使いまわせる。そのうちこんな商品は100均に並ぶようになるんだろうなあ。

・起動時に、白背景で青文字の「NEC」ロゴが出るのが邪魔だなあ…と思っていたら、これもアドバンスドセッティングの7番、「BOOT LOGO」からOFFに出来る。こういうかゆいところまで設定で変えられるのは凄い。
【2016.09.20追記ここまで】

【2017.04.20追記】
ところでこのモニタ、アニメ『New Game!』内で使われてますね。
次回予告のモニタだけじゃなくて、本編内で出てくるNEOのモニタも大きく映るときにたまにMultiSync P242Wの文字が見える。

このアニメ去年のアニメの中ではかなりお気に入りなので、モニタにもますます愛着湧いたかも…

【2017.04.20追記ここまで】

【2017.5.23追記】
なんかこのモニタ、デジタルカメラグランプリ受賞したらしいけど、そんな評判になるほど売れてないんじゃないかなあ…
デジタルカメラグランプリ 受賞のご案内 | NEC
【2017.5.23追記ここまで】

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