FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(5) 中望遠レンズレビュー

随時更新。
X-T1/X-T2用に購入した中望遠レンズのレビューエントリ。焦点距離的には46mm~100mm(換算69mm~150mm)までのレンズで検討したもの、購入したものをメモ。

超広角・広角域(焦点距離的には~23mm(換算34.5mm)までの)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(3) 超広角・広角レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
標準域(焦点距離的には24mm~45mm(換算36mm~67.5mm)まで)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(4) 標準レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
望遠域(焦点距離的には100mm~(換算150mm~)まで)のレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(6) 望遠レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ
特殊効果レンズのレビューは→FUJIFILM X-T1/X-T2簡単なレビュー(7) 特殊効果レンズレビュー | ちゃたろうふぁんくらぶ

以下、とりあえずさっくり調べたレンズ一覧。例のごとく、一眼レフ用レンズは数が多いので除外、L/Mマウントレンズは1990年代以降の新しめのレンズ(ライカ純正を除く)を掲載。
この辺のレンジから純正レンズもサードパーティも少なくなってくるし、Mマウントのレンズも減ってくる。さらに望遠域、例えば200mm単焦点とかは(今度フジ純正で大口径望遠が出るが)まあほぼ絶望的な状況なので、この辺のレンジからまとめて純正望遠ズームを一本買って済ませる方が個人的には無難なように見える。何より、このレンジでは手振れ補正がないことが結構ダメージとして効いてくるので、純正ズームのレンズ内手振れ補正に頼りたいと考える方がいいからだ。

HELIOS-44-2 F2/58mm

2017年6月購入。

上の一覧にないレンズをのっけから紹介する。まあ、このレンジのレンズとして最初にこれを買ったのだから仕方ない。このレンズは、ロシア製のM42マウントレンズなので、マウントアダプタを介して装着する。僕は最初慣れずにとりあえずXマウント-PK/RマウントアダプタKマウント-M42マウントアダプタを買った(将来的にKマウントレンズも買おうと考えていたので)のだけど、後から少し慣れて考えてみると、この買い方はそれほど良いわけではなさそうだ。一番正解の買い方は、少々ゴチャゴチャ連結感があるが、FujiFilm製純正Xマウント-MマウントアダプタMマウント-KマウントアダプタKマウント-M42マウントアダプタと買うのが良さそうだ。Kマウントなんて使わないよ、と言うのならダイレクトにMマウント-M42マウントアダプタでも構わない。

なんでこんなまどろこっしいガチャガチャを薦めるかと言うと、X-T1/X-T2にレンズを装着した時に、Exifに焦点距離入力をするのに便利だからだ。X-T1/X-T2には電子接点のないレンズに対して焦点距離入力をするメニューがあるが、これが結構深い階層の中に入っていて、レンズ交換の度に呼び出して入力するのが面倒なのだ。一方で、純正FujiFilm Xマウントアダプタを使えば、マウントアダプタ上にボタンがあってそこからダイレクトに焦点距離設定メニューに入れる。これが思ったより便利(このマウントアダプタの組み合わせですらレンズ交換時に焦点距離再入力忘れたりもするのだが)。現時点ではフジのカメラにはボディ内手振れ補正などがあるわけではないので、別にまあ焦点距離入力などしなくてもいいのだが、やっぱり入力した方がいい。

で、なんでこんなレンズをいきなり購入したのかと言うと、個人的に『グルグルレンズ』を一本買っておきたいなあと思っていたからだ。グルグルレンズと言うのがどういうのかと言うと、画面中心を基準に被写体の周りをグルグルと回るような感じにサジッタルなコマのボケがよく出ているレンズのこと。伝統的なのだとMeyer PrimoPlanあたりで有名で、最近だとLensBabyのTwist系効果レンズとか、LomographyのNew Petzval 58 Bokeh Control Art Lens辺りが有名だと思う。まあサブカル界隈に有名なレンズで、このHELIOS-44-2もグルグルボケが出ると聞いた(その上格安!)ので買ってみたのだ。

買ってみた感想としては
・今のところ、僕の買った個体ではそれほど目立ったグルグルボケを出せていない。使いこなしが下手なのもあるし、ロシア製のこの辺のレンズは個体差も大きいので一概に評価できない。
・僕の買ったレンズは何故か絞り目盛が逆で、F16の側に回すと開放、F2の側に回すとめいっぱい絞りこまれる。途中の絞り数字なんて確認しようもないアバウトさ。
逆光にはめっちゃ弱い。レンズの反射具合を見るにつけモノコートっぽいし、この辺はむしろそれを活かした作例を考えるべき仕様かと思う。
・操作性に関しては、へっぽこもいいところ。距離ヘリコイドがかなりユルユルなのはまあ仕方ないとして、絞りリングはさらにスッカスカである。さっき書いたとおり目盛も逆だし何がしかのニコイチなんかもされてそうだが、軽く触っただけで絞りが動いてしまうのは結構辟易。
・描写は、こんなニコイチくさいレンズでも意外に解像する気がする(気がするだけで解像はしてないのだけど)。カリカリの解像ではなく、しっとりとした湿り気のある描写なので、あまり解像が気にならないのもあるかもしれない。
と言った感じ。
せっかく買ったのでこれからもう少しいじくり回してはみたいが、このレンズを買ってつくづく思ったのは『SL(一眼レフ用)レンズだとボディのコンパクトさをスポイルするなあ』であった。アダプタをガチャガチャ取り付けると結構な長さになり、最大径がそれほど大きくはないので取り回しがそれほど悪いわけではないが、まあかっこ悪いのだ。このレンズを買った結果、X-T1/X-T2に装着するレンズはマウントアダプタ遊びをしてもMマウントまでだなあと思った次第である。

以下作例

頑張って多少グルグルさせてこんなもん。今度コスモスでもっとグルグルしないか試してみようと思う。


多分開放、最近接。これだけ寄れればまあまあかなあと思うし、一応花粉が写る程度には解像もしているし、ボケがとてもゆるやかで綺麗。このレンズはこれはこれで使い道があると思う。


多分開放、最近接から数cm離れてると思う。熟し始めた梅の実。逆光気味の条件なのでかなりホワホワになっている。完全逆光になるともっと画面内真っ白になる。


F4ぐらいのつもりで若干絞ってある。コスモスでも試してみたが、やっぱりグルグルはでなかった。点光源ボケを見る限り、若干の輪郭がつく二線ボケがあるようだが、あまり顕著に出ないのでこういうコスモスの葉っぱでもボケがうるさすぎるほどではなく存在感が微妙に残る面白いレンズだと思う。

NEEWER 50mm F2.0

2017年7月購入。

これは標準域にHengyijiaを買った時に安かったから一緒に買ってみたもの。同じスペックのレンズはNEEWER銘とMeike銘で出ているけど、銘板とか塗装とかが若干違いはするけど中身は同じものだろう。

で、いきなり感想は身も蓋もないかもしれないが、このレンズは買いではない。スペック的には無難な数字だし、描写もそれほど悪くないし、コンパクトでいいのだが、このレンズは最短撮影距離が65cmと若干長いのだ。焦点距離50mmなら最短撮影距離も50cmまでは頑張ってもらいたかった。このせいで、若干撮影が間延びしてしまって僕にはうまくリズムがとれなかった。
あるいは、普段からレンジファインダーカメラを使うのが主で、あまり近接をしないよ、と言う人なら無難に使いこなせるのかもしれない。
そうではない人は、純正XF50mmF2が最短撮影距離頑張って39cmなので、そっちの方が何かと便利に使えるのではないかと思う。

その他買った感想としては
ピントリングはてごろなねっとり感があっていい。絞りリングはかなり重ためで、クリックのないタイプ。XF純正・サードパーティ含めてこれだけ重たい絞りリングと言うのはあまりないと思うが、操作はこのぐらいしっかりトルクがあった方がやりやすい気はする。
・ピントリングのターレットはニコンやペンタ(タクマー)、フォクトレンダーみたいな段差と溝が交互に来るタイプ。絞りリングは朝溝だけのタイプなので、この使い分けをしているのはよろしい。Hengyijia 25mm F1.8はどっちのリングも同じ模様のターレットなので時々間違えて距離操作をするつもりで絞りリングをいじってた、なんてことがあるがこれはそういう誤操作しにくくて良い。ピントリングのターレットは、パッと見の印象は結構イカツイのじゃないかと思うが、ピントリングの幅がそんなに幅広ではないこともあり、意外に静かなたたずまい。
・逆光はやや弱め。逆光にすると盛大にフレア出すことができる。
・描写はわりと端正。とはいえ、Hengyijia 25mm F1.8ほどではないものの周辺が荒れることもあるので、多少絞った方がいい。
と言った感じ。

以下作例。

定番のモミジ。多分開放、最近接。もう一声寄りたいなあ、と言うのが印象だった。明暗差の大きいボケの輪郭に若干フリンジが出ているが、いわゆるパープルフリンジのような、軸色収差由来のものはあまりなさそう。


多分周辺部の荒れ方からすると開放だと思う。結構メリジオナル方向に伸びたコマが出てる。このレンズで天体写真を撮ったら、結構汚くなってしまう事だろう。


こっちも開放だと思うのだが、解像しているところは結構しっかり解像していると思う。若干ポップコーン気味ではある。新海三社神社にて。


近接気味で、スギの樹皮などの質感は良く出ていると思う。実はこの写真、撮影ポジション的には逆光になっていて


ちょっとだけ横に動いてレンズに逆光が当たっていると、こんな感じに盛大なフレアが出た。

COLOR-HELIAR 75mm F2.5

2017年7月購入。

中望遠域のレンズはいろいろ悩ましいが、最初にターゲットにしたレンズはカラーヘリアー。このレンジのレンズは純正で60、80mmのマクロと90mmのレンズがあるが今一つ大きく重たいのが気になったのと、60mmならまあまあコンパクトだがもう少し焦点距離が長いものが欲しかったのだ。で、サードパーティではコンパクトなm/Lマウントにしようかなあと漁っていて、目に留まった。カラーヘリアーの75mmはKマウントのSLレンズは使ったことがあって、その時の印象では「結構柔らかいながらも芯はしっかり写り、ボケも柔らかく絞り変動に伴う描写の変動も少ない、扱いの楽な優等生」と言う感じだった。で、Lマウントの物に手を出してみた次第。

使ってみた印象としては
・レンズはコンパクトなのは良い。絞りリング、ピントリングの操作感は安心のコシナフォクトレンダークオリティ。しいて言えば、SLレンズよりコンパクト(華奢)なのでピント・絞りリングのトルクが若干軽め。
描写は思ったよりカリッカリだった。ファインダーでのピントの山はなぜかイマイチつかみにくく、若干苦労するのだが、いざ撮影画像を見るとピントはビシッと来ていて気持ちがいい。一緒に買ったSWH15mmがピント甘目なのに対し、こっちはなんでこんなに、と言う印象。フィルム時代の設計のレンズとはとても思えない。さすが、中望遠で欲張りすぎてないF値のレンズの性能はいいもんだなあと改めて実感。
逆光は若干弱めパープルフリンジも若干のる印象。
・べた褒め気味に近いこのレンズだが、決定的な弱点が一つ。レンジファインダ向けのレンズなので仕方ない側面はあるのだが、最短撮影距離1mはきつい。対象物に寄りきれない。SLレンズだと70cmまで寄れるので、この30cmの距離感はつらい。
と言ったところか。最短撮影距離さえ何とかなれば、安心のレンズになるかと思う。ので、今後はフジXマウント側の接写リングでも買おうかと考えてはいるのだが、接写リングと言うのはなにぶん使い勝手はだいぶ面倒になるので、まあ本体で最初から70cmまで寄れれば(できれば50cmぐらいまで寄れれば)現代でも無敵レンズだよなあと思った。

あと、レンズのせいではない欠点だが、この辺のレンジから手振れ補正機構がないのがボディーブローのように地味に効く。撮影して自宅に戻ってきて確認するとぶれていた、と言う写真を慣れないうちはそこそこ量産してしまった。撮影時は当然絞り優先オート露出撮影になるわけだが、撮影時にはシャッタースピードもチェックして1/100secより遅くならないように気を付ける必要がある(頑張ればもう少し遅いssでも撮影できなくはないが、やっぱ等倍鑑賞できることを考えると基本のシャッタースピード限界はきっちり守っておかないと厳しい印象)。ぜひともボディ内に手振れ補正機構を組んだボディをフジに開発してもらいたいものだ。なにもオリンパスのように5段6段なんて神がかりな補正はしなくてもいいから、2.5段~3.5段補正してくれるだけでもずいぶんと楽になるしね。

以下作例

逆光気味のひまわり。最短撮影距離付近、さすがに少し絞ってあるか。ほれぼれするようないい解像をしている。背景の青空が白飛びせず粘っているのは、レンズの素性と言うよりはカメラが優秀と言える(撮影時はこれは背景白飛びしてるだろうなと思い込んで撮ってたぐらいなのだが)。フリンジっぽいものもほぼ皆無だし、後ろボケもふわあとゆるやかだし、素晴らしいレンズだなあと。


真逆光の構図。なだけで写真としては何写したのかわけ分からんけど。さすがにこのぐらい強烈にやるとパープルフリンジが少し発生しているのが分かる。フレア・ゴーストの類は構図に太陽が入るところではあまり出ず、太陽が画面外斜めに差し込んでくるぐらいのところで若干発生する。


この日は内山のコスモス祭りで、ライブイベントをやっていた。歌っていた方の名前は失念したけど、ギター弾き語りで牧歌的な雰囲気がとてもよくあっていた。せっかくだからこの写真はアスティアで仕上げてあげればよかったかな。このレンズだからこの程度で済んでいるけど、もっと硬いレンズで撮ったら前ボケも後ろボケもうるさくなっていただろうな。


せっかくなのでボディ内RAW現像でASTIAを適用させてみた。でも人物はこのサイズだとあまり影響ないな。


最短、開放。ピントのノリ、ボケの柔らかさ、完璧ですな。

HandeVision IBERIT 75mm F2.4

2017年8月購入。

もともとは上記のカラーヘリアーで行くつもりだったが、イベリットが販売終息?売り切り体制に入ったらしくamazonでガンガン値下げ販売をしていたので、思わずつられて買ってしまった。結果、目下のところカラーヘリアー様すら押しのけてこのレンズが『僕の相棒』になってしまっている。超お気に入りレンズ。

イベリットのレンズシリーズを出しているハンドビジョンは、中華レンズなのだが、一応「ドイツでレンズ設計」したので画質で他の中華レンズと一線を画す、と言うふれこみでやや強気の値付けで売っていたレンズだ。24mm/35mm/50mm/75mm/90mmと言うラインナップで当初攻める目論見だったようだが、結局24mmと90mmは市販はされず、Xマウントでは50mmと75mmしか出ていないように見える。50mmもまあまあ魅力的なレンズだったが、スペック的にはもう少し長めの焦点距離のレンズが欲しかったので75mmを選択。75mmで選ぶと言ってもブラックにするか/シルバーにするか、Xマウントにするか/Mマウントにするかで都合4パターンの候補ができてしまうのだが、そのうち3種類を買って試してしまった(←バカ)感想から言うと、Xマウントのレンズを選んだ方が良いようだ。と言うのも、XマウントとMマウントでは最短撮影距離が違っており、Xマウントが60cmまで寄れると言う魅力があるからだ(Xマウントでも70cmまでは寄れるので、決して悪くはない数字なのだが)。ただし、毎回レンズ装着時に焦点距離入力をするのはやっぱり純正Xマウント-Mマウントアダプタを使う方が便利であり、そっちの利便性を優先するのならMマウントでもいいかなと思う(あと、MマウントならEマウント用に転用もできるかな)。

そんなレンズだが、使った印象としては
・レンズの外観は土管と言うか、段差のほとんどない細長いレンズなのでかっこよさは若干カラーヘリアーが勝る。カラーヘリアーの方が全長も短くてコンパクトだ。
・操作感は満足。ピントリング・絞りリングともに操作で過不足はないし、他の中華安物レンズと違って絞りリングはちゃんとクリッカブルストップがある
・描写もカラーヘリアーと五分五分の良い出来。さっと使っている分には、ピントのカリカリっぷりも、ボケの柔らかさも合格点の上を行く感じ。カラーヘリアーよりこっちの方がファインダ上でピントの山が若干つかみやすいような気もするが、気のせいかなあ。
・最短撮影距離が短いことによる利便性は、作例参照。被写体に寄る、と言う部分ではこのレンズなら不満は出ない(これ以上寄るのは完全にマクロレンズの仕事だろう)。
・若干逆光に弱い。パープルフリンジは結構のる印象。
と言ったところか。パープルフリンジ以外は弱点がないので、非常に扱いやすい。しいて言えば、カラーヘリアーの項目で述べたのと同じく、手振れ補正機構が欲しいなあと言う事だろう。

以下作例。

いつものようにモミジ。開放、最短撮影距離だと思う。もう少し撮影倍率大きいかと思ったけどこんなもんか。解像性能は高いのだが、寄りすぎてピンがバッチリ来てるところがないか。


最短撮影距離、F4ぐらい。トンボの羽が非常によく解像している。このぐらいカリカリがでると気持ちいい。このレンズ辺りになると、F8辺りでは回折ボケの影響が出てくるので、一番おいしいのはF4~F5.6ぐらいだと思う。


これはゴーストの出た作例。逆光だとフレアもゴーストもそれなりにでる。今のところは手でハレ切りしたりして頑張っているのだけど、片手でハレ切りして片手でシャッター押すともれなく手ブレ写真量産になってしまうので、素直にフードを買った方が良さそうだ。手元に標準レンズ用ならφ49mmのフードがあったので装着してみたが、あまり効果がなかったのでもう少し望遠用のフードが必要なようだ。でもそれはかさばってしうまうな…。


これはパープルフリンジの作例。もっと酷いパープルフリンジが出た作例は自重した…。やぎさんのお顔がフリンジでまくっている。後ろボケなんかは非常にきれいなので、うまく使いどころを考えなきゃいけないところだ。まあ、RAW現像すればサクッと消せるんだけどね。

FUJINON XF 90mm F2 R LM WR

2018年3月一日レンタル。

特殊レンズの欄に載せてあるが、XF80mmも使用したのだがずいぶん大きく重く、日常に使うのはちょっと困難だなと感じたので、こちらを東京に行った折に一日レンタルで使用してみた。こちらもそれなりに大きいレンズだが開放F値もF2と明るく、その明るさでこのサイズ感ならまあ我慢できるかなあと感じたレンズだった。

使ってみた印象としては
・サイズ感はこんなものかなと思う。もちろん、もう一声小さく軽いと言うことないのだが。
・作りは結構がっしりとしていて安心感がある。ピントリング・絞りリングの操作感は、短時間の試用ではあまり不満は感じなかった。
・AFは遅い。スポーツ用に使うレンズではないだろう。普通のスナップ用途なら別に不満の出るAF速度ではないとは思うが。
・画質はいい感じ。特に、XF80と比べて口径食が出ないところがさらに扱いやすさを感じさせる。
と言ったところか。個人的には、XF80を持ち歩くよりもはXF90で必要に応じて接写リングを併用する方が良い気がする。手振れ補正が必要ならX-H1を買ってボディ内補正を使えばいい。もちろん、マクロ域の倍率は接写リングを使っても本物のマクロレンズには及ばないが、単品の花を写す程度の倍率ならマクロレンズは必要ない(例えば、雄しべ雌しべを拡大したいならマクロレンズ必須になる)。

以下作例


最近接、開放F2。この日はソメイヨシノの開花日で、まだつぼみの花が殆どで丁度撮影できる場所に手ごろな開花した花がなかった。開いていればこの距離感ならそこそこ満足できる写真が撮れるのではないかなあと思う。口径食が少なく、扱いやすい。前ボケになりかけのところが少し二線ボケ傾向か(かなりシビアに判定しての話)。


最近接+マクロエクステンションチューブ MCEX-11の併用、F5.6。接写リングを使うとここまで寄れる(16mm厚の接写リングMCEX-16を使えばさらにもう少し寄れる)。フジの場合ボディとの連携はすべて電子なので、接写リングは着脱が面倒ではあるものの装着時に何か不満の出ることは少なめ(もちろん、マクロレンズより収差は多く出るだろうが)。個人的にはこのぐらい寄れれば撮影できなくて困ることは無いと思う。


近景+開放作例 ピントが薄すぎて今一つどこにあっているのやら状態。後ろのボケはとても滑らかで、このレンズの素性の良さがよく分かる。


ほぼ同じ構図で、F4に絞って 2段絞られるので、被写界深度もだいぶ広がる。後ろのボケは相変わらず滑らかなのはいい。ただし、別の撮影で点光源を後ろに入れた時に開放ではもちろん円形にボケるのだが、少し絞ると絞りの形が出て多角形になってしまっていた。その辺の詰めの甘さがフジにはある気がする。


レッドブル・トロロッソ・ホンダF1のオープニングイベントにて。BMXジャンプショー。被写体ぶれが出てしまうので、思い切って高感度にしている。絞りは開放だと被写界深度が若干まかなえないので一段絞ってF2.8で。なんだこのレンズでもスポーツ写真撮れるじゃん、と思いきや実はこの写真はMF置きピンで撮影している。この速度でAFは無理だった。BMXジャンプショーは僕の座った位置も良かったのか、比較的横にスーッと動くだけで前後の移動がなかったので、MFでもなんとかなった。

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