写真家 周剣生は撮影モラルを守らない最低の写真家である

今週号(2016年4月2日号)の週刊ダイヤモンドを読んでいたら、とんでもない記事を見かけた。

Screenshot_2016-04-01-20-21-36

本文中引用すると、

その日は閉園まで写真を撮り続けていた。翌早朝にも撮影したいと警備員に交渉したら、「9時の開園まで入り口からは撮影禁止……。でも、他の場所は知らないわ」と暗示するように答えた。探してみたら入り口から離れた場所にフェンスが破れている箇所があった。翌朝3時ごろにそこから中へ忍び入った。闇の中で三脚を立てて撮影の準備をしていたところ、向こうから人影が寄ってきた。月の光を借りて見てみたら、昨日の警備員。思わずお互いに笑い合った。

とある。

なんだこれは。要約すると、「職業写真家が自分の仕事(撮影)の為に、撮影禁止のルールを破り、撮影禁止区画に入り込み写真を撮った」と言うことである。
本人は美談だとでも思ったのだろうか。

世間では、アマチュアを含めた写真家のマナーの悪さがしばしば議論されている。やれ撮り鉄葬式鉄が最終運行や特別運行の為に集団占拠したり線路内に立ち入ったり、やれ撮り鉄ネイチャーフォトグラファーが撮影の為に無断で草木を伐採してしまったり…枚挙にいとまがない。
プロカメラマンだとか職業写真家だとか言う連中は、それらの行為についてどのように考えているのだろうか。写真文化の発展のために、撮影マナーの徹底・撮影モラルの向上を図るのも彼らの責務ではないだろうか。

それどころか、今回の件に至ってはプロ写真家が積極的に撮影マナー違反である。自分の仕事を自分で汚しているのである。一般的な勤め人ならこんなことはしないだろう。所属企業があり、企業にはコンプライアンスがあるからである。悲しいかな、写真家と言うのは大概フリーランスであるから、コンプライアンス意識が全く働かないのだろう。
しかもアマチュアの場合は「撮影マナーを破った」で済むだろうが、プロの場合は撮影した写真の対価として金銭を得るわけで、今回の件は完全に盗人である。金銭をもらう写真を撮るのであるから、金銭を払って然るべき場所から許可を得るのが当然である。

今回の件はあまりにも疑念を感じたので、週刊ダイヤモンドのWeb上の問合せフォームから苦情を送ってみた。

■お問い合わせ内容
2016年4月2日号週刊ダイヤモンド 世界遺産を撮る の記事に関して
文中に「撮影の為に進入禁止区画に入った」とあります。あたかも美談のようにしてごまかしていますが、『職業写真家が撮影モラルを逸脱』と言う行為を書くのはどう言うことでしょうか。自らの職業の尊厳を侮辱し、世間の撮影マナーを低下させ、アマチュア写真家のマナー違反を助長・言い訳させるような行為。このような行動をする、記事にしてしまう写真家を起用すべきではありません。例えどんなに写真が美しかろうとも、それは汚れた写真です。雑誌編集局の方々は、スクープ記事を獲得するためなら法令違反の取材をしてもいいと考えますか?

返信

いつもご愛読ありがとうございます。
「世界遺産を撮る」の担当をしております深澤と申します。

お問い合わせいただいた点ですが、
本誌としては、もちろん撮影モラルを逸脱することを推奨する意図はございません。

本記事も、決して「撮影の為に進入禁止区画に入った」わけではありません。
開園時間以外の時間帯に撮影したいと警備員に申し出たところ、
警備員自身が、暗に「入り口以外から入るのは関知しない」旨の回答をしたので、
その意を汲み取って、入り口以外から入り撮影をしていたところ、
その警備員に見つかったが、案の定、咎められることもなく、
むしろ「言外の意を察してくれたのか」と相手も笑ってくれた、という話です。

もちろん、無断で忍び込んだということであれば問題ですが、
事前に警備員とのやり取りがあったという点において、
撮影時のエピソードとして掲載に足ると考えました。

以上、
なにとぞご理解のほど、お願い申し上げます。

まだ疑問が解消しないのでもう一度質問してみた

例えばの話ですが

警備員は訛りの強い外国人の過剰な要求に辟易した
別に自分に非が発生するものでもないので
「入り口から入ること以外は関知しない」
と済ませた
案の定、潜り込んでいたので苦笑した

と言う可能性を否定できる話なのでしょうか?
勝手に自己都合で意を改変していませんか?

もし、問題ないのであれば
「入り口以外から入るのは関知しない」ではなく
「入り口以外から入るのに許可はいらない」なのではないでしょうか?

そもそも、この写真撮影は仕事で掲載にあたって金銭の授受が発生する
ものではないのでしょうか?
ならば然るべき場所に許可を取り、必要なら撮影の為に特別料金を払って
撮影する
必要のあるものなのではないでしょうか?

とても笑い話で済ませられるものではないと考えます。

その返信

お世話になります。

そのときの警備員の心情など、
仮定の話を検証するのは、なかなか難しいですが、
カメラマンの周氏はユネスコの事務局特別推薦の世界遺産写真家として
活動している人物でもあるので、通常とは違う対応もあったのかもしれません。

今回の作品が「汚れた写真」だとは決して思いませんが、
「世間の撮影マナーを低下させ、アマチュア写真家のマナー違反を助長する」
可能性がまったくないとは言えませんので、
今後は記事については細心の注意を払いたいと思います。

ご指摘ありがとうございました。

深澤

と言うやり取りになった。
結局、ダイヤモンドの担当者がこの問題を理解する気はないようなのであまり引っ張っても仕方なかろうと思い、これで放置。

だがあらためて思うが『ユネスコの事務局特別推薦の世界遺産写真家』ならば、ますますもって『特別許可を得て撮影できるはず』であり、こんな夜間忍び込みのような最低な行為をする必要はないと思うのだが、担当者ですら疑問に思わないのはどういうことだろう。

コメントを残す